こんにちは、ディレクターの奥原です。

前回に引き続き、「令和時代のマーケティング」を紐解いていきましょう。
前回は、Webマーケティングの概要・Webマーケティングが辿る4つのプロセスをご紹介しました。
まだ読んでいない方は、先に前編をお読みください。

後編となる今回は、まずは前回の復習から始め、購買の意思決定フレームワークの変遷をご説明し、
そして最後に、Shareの時代だからこそ使えるフレームワークをご説明します。

 

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目次
1:前回の復習
2:購買の意思決定のフレームワークの変遷
3:Shareの時代だからこそ使える<購買の意思決定フレームワーク>
4:おわりに
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1:前回の復習

 

前回、Webマーケティング(=Webを使って、物が売れる仕組みをつくり出す活動を行う)には、
消費者の購買行動に合わせた複数のWeb手法をご説明しました。

ただし、これらは、残念ながら「Shareしたくなる」手法でないことも、お伝えいたしました。

集客施策に含まれる
・リスティング広告
・SNS広告
については、広告に含まれるテキスト内容が奇抜であったり、目に留まりやすい内容だった場合は、その広告を「Shareしたくなる」可能性はありますが、確実的ではありません。

それでは「Shareしたくなる」には、どのような手法を用いれば良いでしょうか。

 

2:購買の意思決定のフレームワークの変遷

2000年以降、インターネットが急速に個人に身近な存在になるにつれ、
検索する(Search)が、消費者の購買の意思決定に含まれるようになりました。
それに伴い、株式会社電通が、「AISAS」という新しい「購買の意思決定フレームワーク」を提唱しました。

AISAS

 

AISASとは、消費者が購買を決定するために行う以下のプロセスをいいます。

・製品の存在を知る(Attention)
・興味をもつ(Interest)
・検索する(Search)
・購買する(Action)
・共有する(Share)

 

このフレームワークに沿って、食べログ・価格.com・@コスメなど、
クチコミマーケティングを主眼としたWebサイトが多く作られました。
そして、令和の今。検索する(Search)方法は変わってきてはいないでしょうか?

何か気になるものがあったとき、何で調べますか?

Google検索ツールだけではなく、
・Youtubeで見てみる
・SNSで#検索する

といった、検索をしたことはないでしょうか。
ここ数年で新しい検索手法が出てきたことに、お気づきいただけたかと思います。

 

それでは、そもそも、この『気になるもの』というのは、どこで発見しているでしょうか。

私の場合は、Instagramの虫眼鏡マークを押して、流れてくる情報を、なにも目的がなく見たり、
Youtubeの「この動画を見ている人は…」としてレコメンデーションされる動画を流し見したりしている内に、気になるかも、、と感じ、検索を行います。

つまり、情報を得るために「検索」するのではなく「気づいたら情報を得ている」感覚の方が強くなっており、得た情報をさらに追求するために「検索」しています。

これは私に限ったことではないかと思います。
この行動こそが、令和のWebマーケティングを握る鍵になっています。

「今、コンビニの新商品って、何があるんだろう?」
ではなく、YouTubeで誰かが新商品を食べている動画がおすすめとして出てくる。
「これ美味しそう、近くのコンビニに売っているかな?」と検索をする。このイメージです。

※もちろん、オーガニック検索も勿論存在するため、SEO対策などは必要です。

 

3:Shareの時代だからこそ使える<購買の意思決定フレームワーク>

情報を得るために「検索」するのではなく「気づいたら情報を得ている」
すなわち、購買の意思決定は以下のように変化してきています。

情報を知る方法が多様化し、SNSやメディアから意図せず情報を「発見」し、意図せず「情報を知る」

そこで、この「発見」を加味した購買の意思決定のフレームワークとして、ご紹介したいのが、『DRESS』です。

このフレームワークを考えられたのは、

古川 健介氏

現職: マンガサービス「アル」を運営するアル株式会社の代表取締役
(前職:ハウツーサイト「nanapi」を運営する株式会社ロケットスタートの代表取締役)

古川氏は、DRESSを以下のように定義されています。

・Discovery(発見)
・Response(反応、共感)
・Experience(体験)
・Story(物語化)
・Share(共有)

発見の結果、「発見」し、いいね など「反応」をする。実際に足を運んだり、サービスを使用して「体験」をし、個人の体験に感じたことを追加し「物語」として、体験を記憶に残す。
そして、その物語を添えて、SNSで「共有」する。

これまでのフレームワークと比べると、「知る」行動が、「発見」と変化し、口コミなどの投稿などの共有ではなく、自分の体験を物語化し、誰かの感情が動くように顧客自らが設計する、という違いが生まれています。
これこそがShareの時代です。

それでは、自分の体験を物語化し、誰かの感情が動くように顧客自らが設計した事例をご紹介いたします。

 

事例:エーザイ株式会社 チョコラBBリッチセラミド

チョコラBBリッチセラミドは、発売前に、クラウドファンディングのプラットフォームで、先行発売兼クラウドファンディングを行いました。
これは、クラウドファンディングの特色である支援~商品到着までのストーリーを、購入者が周りに「自分が支援した」ということを話したくなる部分を利用しています。

参考:エーザイ株式会社 チョコラBBリッチセラミド

(リッチセラミドは、美容系インスタグラマーや挙式を控えたプレ花嫁のアカウントにプレゼント企画を行うなどプロモーション戦略も参考になります!)

4:おわりに

これまで、2回にわたり、令和のWebマーケティングとして、
「顧客ロイヤリティを高める」ために必要な施策を考察し、
Shareの時代に合う『DRESS』という購買の意思決定フレームワークをご紹介しました。
接客施策に当てはめると、SNS広告などで活用できるかと思います。

ぜひ一度、お持ちのサービスやWebサイト・施策にこのフレームワークをあてはめ、
令和時代の顧客の行動に沿っているかお確かめください。

また、ブリッジコーポレーションでは、今春よりブランディングコンサルティングパッケージの提供を始めました。このフレームワークは自社のどこで使えるかなあ、と気になられた方は、お気軽にお問い合わせください!

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