Webサイトを運用する際に、何をサイトの成果とするかが非常に重要です。アクセス解析ツールであるGA4では、サイトごとにその成果=コンバージョン(キーイベント)を計測することが可能です。
この記事では、GA4におけるコンバージョンの基礎知識や、設定をする前に必要な準備、設定方法などを解説します。
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目次
1.Googleアナリティクス4(GA4)とは?
2.コンバージョンとは?
3.GA4のコンバージョン設定の基礎知識
4.GA4のコンバージョン設定のメリット
5.GA4のコンバージョン設定の前提条件
6.GA4のコンバージョン設定方法
7.GA4のコンバージョン確認・分析方法
8.GA4でコンバージョンが計測されない場合の対処法
9.まとめ
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Googleアナリティクス4(GA4)とは?
GA4は、従来のGoogleアナリティクス(Universal Analytics、UA)から大幅に進化した、新しいデータ測定プラットフォームです。GA4は、より包括的でユーザー中心のデータ分析を可能にするために設計されており、以下の点でUAと異なります:
- イベントベースのデータ収集
- クロスプラットフォームの追跡(ウェブとアプリの統合)
- プライバシーに配慮したデータ収集と解析
UAではページビューやセッションを中心にデータを収集していましたが、GA4ではユーザーの行動(イベント)を中心にデータを収集します。例えば、ボタンのクリック、ビデオの再生、ファイルのダウンロードなど、細かいユーザーアクションを追跡します。
UAとの主な違い★
GA4とUAの主な違いは、データ収集の方法と分析のアプローチにあります。
- イベントベース vs. セッションベース:GA4はユーザーの行動(イベント)ベースでデータを収集するのに対し、UAはセッションベースです。
- クロスプラットフォームの追跡:GA4は、ウェブサイトとモバイルアプリのデータを一元化できます。
- プライバシー対応:GA4は、ユーザーのプライバシー保護を強化しています。
UAでは、1回の訪問(セッション)中に行われたすべてのアクションが1つのセッションとしてまとめられますが、GA4では個々のアクション(イベント)が独立して記録されます。これにより、ユーザーの詳細な行動分析が可能になります。
GA4は、より高度で細かなユーザーの行動を分析可能にし、現代のデジタルマーケティングのニーズに応えるために設計されています。さらに「コンバージョン」設定を行うことで、サイトにとって価値のある特定のユーザー行動を計測できます。
コンバージョンとは?
コンバージョンとは、ユーザーがウェブサイトやアプリ上で特定のアクションを完了したことを指します。このアクションはビジネスにとって重要な目標であり、サイトの種類によって異なります。コンバージョンは、マーケティング活動の効果を測定するための重要な指標であり、コンバージョンを軸としてサイトを分析・改修することで、効率的にサイトを成長させることができます。
GA4のコンバージョン設定の基礎知識
GA4のコンバージョンはすべて「イベント」として設定する
前述したようにGA4では、ユーザーの行動=イベントを軸に分析できます。GA4におけるコンバージョン設定は、この「イベント」の中から何をコンバージョンにするかという考え方になります。
GA4のイベントの種類は4つ
自動収集イベント、拡張計測機能イベント、推奨イベント、カスタムイベントの4種類があります。各イベントタイプは、異なるデータ収集ニーズに対応しています。
- 自動収集イベント:標準的なユーザーアクション(ページビュー、初回訪問など)を自動で追跡。
- 拡張計測機能イベント:追加設定なしで有効にできる高度な追跡(スクロール、ファイルダウンロードなど)。
- 推奨イベント:Googleが特定のアクションに対して推奨するイベント。
- カスタムイベント:特定のビジネスニーズに合わせた独自のイベント。
例えば、自動収集イベントとして「ページビュー」がデフォルトで設定されており、追加設定不要でデータ収集が始まります。一方、ユーザーが商品をカートに追加するアクションを追跡したい場合、カスタムイベントを設定します。
サイトの種類やコンテンツによって、最適なコンバージョンは異なります。そのため、コンバージョン設定する際は、基本的に「カスタムイベント」で、特定のユーザー行動を計測できるようにし、そのイベントをコンバージョンにするという流れになります。
コンバージョン設定の上限(1プロパティにつき30個まで)★
GA4では、1プロパティあたり最大30個のコンバージョンイベントを設定できます。これにより、複数の重要なユーザーアクションを同時に追跡し、包括的なデータ分析が可能です。
例えば、eコマースサイトでは、購入、カート追加、ウィッシュリスト追加、アカウント作成など複数のコンバージョンイベントを設定して追跡できます。
GA4のコンバージョン設定のメリット
サイトの成果を数値化できる
Webサイトをただ公開していても、サイトがどれだけ事業に貢献したかを判断することはできません。顧客開拓や求職者の獲得など事業の成功には、実はWebサイトが役に立っていたということもざらにあります。サイトの成果を数値化することで、マーケティングツールとしてサイトをさらに活用することができます。
コンバージョンに関する詳細なレポートが確認できる
GA4は、コンバージョンに関する詳細なレポートを提供します。これにより、どのコンテンツがユーザーのアクションを促しているかを正確に把握できます。例えば、製品Aのページを見たユーザーからの問合せが多い、広告Aから流入したユーザーは購入完了率が高いといったことも確認できます。
サイトの成果に対して効率的に改善できる
コンバージョンに関する詳細なレポートを分析することで、サイトのどこをどのように改修すれば成果が向上するかの目途がたちます。やみくもにリニューアルしても問合せがなかなか増えないといったことはよくありますが、コンバージョンについて分析できていれば、特定のページの情報を追加、問合せボタンの位置を変更といった軽微な改修だけでも成果を出すことができます。
GA4のコンバージョン設定の前提条件
何をコンバージョンとするかを決める。
まずは、サイトの種類に応じて、何をコンバージョンとするかを決めることが重要です。各サイトには異なる目的があり、それに応じてコンバージョンイベントを検討する必要があります。
サイトの種類別 主なコンバージョン
- eコマースサイト:購入完了、カート追加
- ブログサイト:ニュースレター登録、記事シェア、スクロール率
- サービスサイト:問い合わせフォーム送信、見積り依頼
例えば、ブログサイトでは、記事に満足してニュースレターに登録したか、記事を最後まで読んだか(ページ下部までスクロールしたか)をコンバージョンとします。
CVアクションをとるためのページを準備する
ECサイトでコンバージョンを購入完了とした場合、購入完了をGA4上のイベントとして計測するためには、ユーザーが購入を完了するためのページ(CVアクションページ)が必要です。基本的には、このページがなければ、コンバージョンイベントを設定することができません。そのため、ECサイトには購入完了ページやサンクスページをCVアクションページとして準備します。
GA4のコンバージョン設定方法
イベントから設定する
GA4でコンバージョンを設定するには、まずイベントを設定する必要があります。これにはGA4の管理画面上で設定する方法と、GTM(Googleタグマネージャー)を使って設定する方法の2つがあります。
- GA4管理画面上でイベントを設定する方法:GA4の管理画面で「イベント」を選び、新しいイベントを作成します。イベント名と条件を入力して設定します。
- GTMを使ってイベントを設定する方法:GTM(Googleタグマネージャ)を使用して、クリックやフォーム送信などの特定のアクションをトラッキングするタグを設定します。その後、GA4でこれらのタグをイベントとして登録します。
イベントを「キーイベントとしてマーク」を付ける
設定したイベントをコンバージョンとしてマークすることで、そのイベントがコンバージョンとしてカウントされます。GA4の管理画面でイベントを選び、「キーイベントとしてマークを付ける」をオンにします。
コンバージョンのカウント方法を選択する
GA4では、コンバージョンのカウント方法を2種類から選択できます。これには、初回のみカウントする方法と、複数回カウントする方法があります。ビジネスニーズに応じて適切な方法を選択します。
コンバージョン値を設定する
コンバージョンイベントに値(例えば金銭的価値)を設定することで、各コンバージョンの価値を評価できます。これにより、どのコンバージョンがビジネスに最も貢献しているかを明確に把握できます。
コンバージョン設定をテストし「リアルタイム」で確認する★
設定したコンバージョンイベントが正しく機能しているかを確認するために、テストを行います。GA4のリアルタイムレポートを使用して、イベントが正しくトリガーされていることを確認します。
GA4のコンバージョン確認・分析方法
コンバージョン数
GA4のレポートで、設定したコンバージョンイベントの発生数を確認します。これにより、どのイベントがどれだけ発生しているかを把握できます。
流入経路別コンバージョン数
流入経路(オーガニック検索、広告、ソーシャルメディアなど)ごとにコンバージョン数を分析します。これにより、どの流入経路が最も効果的かを評価できます。
コンバージョンが発生したページ
どのページでユーザーがコンバージョンしたかを確認します。これにより、効果的なページや改善が必要なページを特定できます。
GA4でコンバージョンが計測されない場合の対処法
GA4タグが正しく設置されているか確認する
GA4タグが正しく設置されていない場合、データが正確に収集されません。問合せ獲得をコンバージョンとしている場合は、サンクスページにもタグが正しく設置されているかを確認してください。
コンバージョン設定に誤りがないか確認する
設定したコンバージョンイベントに誤りがないかを確認します。設定画面でイベント名や条件が正しく入力されているかをチェックします。
除外フィルタがかかっていないか確認する
除外フィルタが設定されている場合、特定のデータが除外されるため、コンバージョンが計測されないことがあります。フィルタ設定を確認し、必要に応じて調整します。よくあるケースとしては、自社のIPアドレスを除外していたため自社からのアクセスを計測できないといったことがあります。
時間を置いて確認する
タグ設置、イベント・コンバージョン設定後、データが反映されるまで時間がかかることがあります。設定直後にデータが反映されない場合は、数時間から24時間程度待ってから再度確認します。
まとめ
GA4は、ユーザーの行動を詳細に追跡し、効果的なデジタルマーケティングを実現するための強力なツールです。コンバージョン設定の基本を理解し、正しく設定することで、ビジネスに最も貢献するアクションを正確に把握できます。また、設定がうまく機能しない場合は、対処法を参考にして問題を解決し、データの精度を高めることが重要です。GA4を活用して、効果的なマーケティング戦略を構築し、ビジネスの成功に繋げましょう。
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