ここ10年未満で2度も引き上げられた消費税。
消費税の増税が行われるたびに、小売業や飲食店ではレジの設定変更や値札の修正、
WEBサイトのデータ変更等の負担がかかっていますよね。
そのような中、事業者への負担を考慮した法律、「消費税転嫁対策特別措置法」が設けられました。
内容は、平成25年(2013年)10月1日から令和3年(2021年)3月31日までの間は総額表示をしなくてもよいですよというものです。
そして今、その終了の期限が近づいています!
総額表示の完全義務化が2カ月後に迫っているのです!
2021年4月1日にスタートする消費税の総額表示完全義務化について何をどのように対応すべきなのかを分かりやすく説明していきますので、是非参考にしていただき、残り2ヶ月で適切な対応を行いましょう。
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目次
1:総額表示義務とは
2:総額表示の対象になるものとならないもの
3:総額表示の特例とは
4:総額表示の具体的な表示例
5:ホームページでの総額表示対応
まとめ
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1:総額表示義務とは
総額表示とは、値札やチラシ、広告などの価格表記において、あらかじめ消費税を加算した価格を表示することをいい、消費者に商品の販売やサービスの提供を行う消費税課税事業者に義務づけられたものです。
総額表示が義務付けられる背景には、「税抜価格表示」だと消費者が実際に支払う金額が不明瞭であったり、
税抜と税込表示が混在することで価格の比較がしづらい、といった状況を解消する目的があります。
消費者が価格を見ただけで、いくら支払えばよいのかがひと目でわかるよう利便性を高めるものになります。
それでは具体的にはどのようなものが対象となるか見ていきましょう。
2:総額表示の対象になるものとならないもの
消費者に対して、商品の販売、役務の提供などを行う場合、いわゆる小売段階の価格表示において総額表示が義務付けられています。
そのため、事業者間での取引は、総額表示義務の対象とはなりません。
具体的には以下のようなものになります。
■対象となる商品やサービス
・商品の値札や商品陳列棚、店頭のチラシ
・商品パッケージなどへの印字
・ポスター
・商品カタログ
・ホームページ
・新聞や雑誌、テレビ、インターネット、ダイレクトメールなどの媒体を利用した広告
など
■対象外となるもの
・見積書
・請求書
・契約書
・事業間取引における商品カタログなど
・店員などによる口頭での口頭提示
※総額表示の目的は、不特定多数の人に「あらかじめ価格を表示する」ことですので、上記のようなものは対象外となります。
3:総額表示の特例とは
総額表示の特例とは、消費税引き上げに伴い総額表示を完全義務化としてしまうと、小売業の消費課税事業者は短期間で価格表示を変更しなければならなくなり、コストや手間がかかるという理由からとられた期間限定の措置となります。
該当する事業者に円滑な移行期間として、令和3年(2021年)3月31日までは総額表示をしなくてもよいという特例が定められました。
そのため、この期間に関しては下記のような方法での税抜価格表示が許されていました。
そして、ついにその猶予期間が令和3年(2021年)3月31日をもって終了します。
残り2ヶ月、いよいよ期限が目前に迫っているのです。
総額表示の完全義務化は、令和3年(2021年)4月1日からスタートすることになります。
商品の値札をはじめ、チラシやホームページ内の価格など、すべての商品価格を消費税込みに変更する必要があります。
まだ手をつけられていない方は、混乱しないよう早めに取りかかりましょう。
では、実際どのように対応していくべきなのでしょうか?
4:総額表示の具体的な表示例
総額表示完全義務化により国税庁が定める表示事例は下記のようなものです。
自社の値札や広告、チラシ、ホームページが下記のような表示になっているか見返してみましょう!
※支払総額である「11,000円」さえ表示されていればよく、「消費税額等」や「税抜価格」が表示されていても構いません。
そのため、税抜価格の後ろに税込価格を表記してあれば、総額表示に該当します。
5:ホームページでの総額表示対応
最近ではホームページで直接購入や集客施策をしている企業も多いため、今回の総額表示に対応すべき範囲がホームページに含まれていることは多いのではないでしょうか。
通販サイトは分かりやすく価格が表示されているため、既に対応している方も多いと思いますが、
それ以外のサイトでも、価格を表示している場合は多々あり、影響が出てくるところがあります。
いくつか事例を記載しますので、自社のホームページが該当していないか是非確認してみてください。
・病院サイト:人間ドックや予防接種、健康診断などの価格表示
・団体サイト:講座・セミナー案内の価格表示
・教習所サイト:受講料金表示
・サービスサイト:自動見積フォームでの価格表示
・メーカーサイト:商品ページや商品カタログPDFでの価格表示
・各サイト:広告バナーでの価格表示
まとめ
みなさま、総額表示完全義務化について理解を深めていただけましたでしょうか。
価格はあらゆるところに記載してあり、且つ、印刷物やシステム上に反映されているものだと対応にコストと時間がかかります。
混乱なく対応できるよう前もって自社のパッケージや広告、ホームページでの価格表示を確認するようにしましょう。
ホームページでの価格表示にお困りの方は一度ご相談ください。
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