最近、診断コンテンツを見ることが増えてきたなと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
以前から診断コンテンツはありましたが、改めて調査をしてみました!
診断コンテンツの導入を考えられている、Web担当の方や制作を検討されている方の参考になれば嬉しいです。
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目次
1:診断コンテンツとは
2:診断コンテンツのメリットや効果
3:診断コンテンツの形式
4:診断ロジックについて
5:診断コンテンツの制作手順
6:診断コンテンツ制作のポイントと注意点
7:診断コンテンツ制作費用の相場
8:診断コンテンツが適した業界や商品、サービス
9:診断コンテンツの制作事例
まとめ
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1:診断コンテンツとは
最近よく目にするようになった診断コンテンツ。Webサイトやホームページにアクセスし、誰もが一度は思わず試したことがあるのではないでしょうか。
診断コンテンツは、BtoCサイトだけでなく、BtoBサイトでもよく見られるようになったコンテンツのひとつです。
ユーザーが質問に回答をすることで、自身の心の奥底を覗くような心理テスト形式のものや、自分でも気づけていなかった部分を知ることができるような楽しさを感じられるように質問設計やデザインの工夫をされているのが特長です。
最近では、質問に答えていくと、おすすめ商品として自社商品を宣伝するような形で作られているものも多くなってきました。さらに、診断コンテンツをアプリ化した診断アプリも開発されています。
実際に、診断コンテンツに関する制作方法やロジック作成についてのご質問・費用ご相談を多くいただいており、これまでも多数の診断コンテンツの制作実績があるので、そこで培ったノウハウを事例をもとに一部ご紹介いたします!
2:診断コンテンツのメリットや効果
診断コンテンツのメリットや効果を挙げてみました。
☑商材がたくさんある場合、どれがいいのか迷ってしまうユーザーに対して、
より適した商材を提示することができる
☑自分専用の診断結果に対して、ユーザーの興味・関心を引き立てることができる
☑ゲーム性があるため、ユーザーに楽しんで手軽に商材を理解してもらえる
☑診断自体が楽しめる場合は、何度も診断を繰り返して、いろんな商品の提案が可能になる
☑自社SNSで、診断コンテンツを紹介するシェアが可能
☑診断結果がSNSでシェアされることによる拡散効果を期待できる
☑診断結果から商品詳細ページにリンクさせることで、サイトの回遊率をアップできる
3:診断コンテンツの形式
診断コンテンツにもいくつかの形式があり、主に以下の3種類に分けられると思います。
参考例もご紹介します。
1画面1質問形式
最も見たことがあるのが多いのは、この形ではないでしょうか。
1画面に1つの質問が表示されていて、デザイン性も高く、
1つ1つの質問に集中して、テンポよく次へ次へと回答していけると思います。診断コンテンツに特化した診断サイトや診断アプリでもよく見る形式です。
参考サイト
SALONIA サロニア セレクト ヘアアイロン
MEDULLA(メデュラ) 10 QUESTIONS
d プログラム(d program) 肌タイプCHECK
質問シート形式(チェックリスト形式)
健康診断や、性格診断シートなどで見るような、複数の質問が一覧となっているような診断形式です。
さきほどの1画面に1つの質問のような、楽しむゲーム性のある見せ方とは異なり、
落ち着いて回答してもらう形になりますね。
質問数が多く、回答を面倒に感じられそうな場合にはお勧めです。
参考サイト
森永乳業 宅配ミルク おすすめ商品診断
STEP形式
回答すると、次の質問が下に追加されます。
STEPを踏んで次へ次へ進むイメージですね。
参考サイト
水まわりDo! 費用シュミレーション
4:診断ロジックについて
診断ロジックとは、診断コンテンツで特定の情報や条件に基づいて状況を分析し、診断結果を導くための導くための手順やアルゴリズムのことです。
診断ロジックのパターン
診断ロジックとしては、以下のような形式が挙げられます。
フローチャート型
回答に合わせて、次の質問内容を変更します。
質問内容のパターンと、最終的な診断結果パターンを作成します。
例)全5問 回答3択の場合全5問、回答によって異なる質問とする場合、
3の5乗で243パターンの診断結果を作ることになります。
かなり多いですね。
Webご担当者さまなど、診断ロジックを決める担当者の方は、
全パターン決めるとなると、かなり大変になります。
メリット
・しっかり診断できる
・ユーザーの診断結果の満足度は上がる
デメリット
・質問内容、診断ロジックを決めるのが大変
得点形式
先ほどのフローチャート形式とは異なり、質問内容は固定にします。
回答に合わせて得点形式として診断結果を導きます。
性格診断の形式ですね。
例)全5問 回答3択の場合
全5問のうち、質問3,4,5は回答に関わらず同じ質問とする場合、90パターンの診断結果になります。
メリット
・質問内容、診断ロジックを決めるのが、フローチャート型よりも簡単
デメリット
・後半が同じ質問内容になるので、何度も繰り返し診断する楽しみは減少する
・診断の精度は上がらない
16タイプ形式
16タイプ形式は、人格心理学の理論の一つであり、個人の性格を16の異なるタイプに分類するものです。MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)とも呼ばれ、世界中でも数多くの個人が自己理解や他者とのコミュニケーションを改善するために活用しています。具体的な16タイプは以下です。
建築家・論理学者・指揮官・討論者・提唱者・主人公・仲介者・広報運動者・管理者・擁護者・幹部・領事官・起業家・巨匠・冒険家・エンターテイナー
ゲーム式
ゲーム式は、ミニゲームなどで獲得した点数に基づいて診断結果を表示する形式となり、 ユーザーは楽しみながら診断を進めることが可能です。ゲーム式の診断コンテンツは、その結果をSNSなどでシェアしてもらいやすいことも大きな特徴となります。
抽選式
抽選式は、ランダムで診断結果を出す形式となり、ゲーム感覚で使用するおみくじや運勢などのコンテンツがイメージしやすいかと思います。 診断結果にはあまり信憑性がないため、パーソナライズのサービスや商品を取り扱う場合には避けられることが多いです。
診断ロジック作成のポイント
診断の目的に合わせてロジックを決める
大まかな例になりますが、診断ロジックを決めるには以下のように、目的に合わせて作るといいと思います。
・簡易的な診断でも大丈夫
・得点形式でも正確な診断が可能そう
⇒得点形式
・何度も繰り返し診断をしてほしい
・回答に合わせて質問内容を変更し、正確な診断をしたい
⇒フローチャート型
診断コンテンツの内容に合わせてロジックのカスタマイズを
フローチャート型はパターン数が多くてロジック決めが大変ですが、
選択肢や質問数を工夫してパターン数を減らすことも可能です。
フローチャート型 選択肢多め
全4問、回答によって異なる質問にしますが、質問2の選択肢を多くして、質問4では選択肢を少なくします。
それによって、72パターンの診断結果となり、少し少なくすることができました。
質問数も減らすことで、ユーザーの選択負荷を軽減できます。
5:診断コンテンツの制作手順
診断コンテンツを制作する際には、主に以下の手順で進めていきます。
1.目的とターゲットを決める
診断コンテンツ制作でまず行うことは、何を達成したいか(目的)、誰に向けているか(ターゲット)を明確にすることです。目的は、診断コンテンツでユーザーの関心を引きつけ、有用な情報や製品を提供することによるリード獲得やブランド認知度の向上などが考えられます。ターゲットは、年齢、性別、興味、ニーズなどの項目によって絞ります。
2.形式とロジックを決める
次に、診断をどのような形式で提供するか、どのようなロジックを用いて結果を導くかを決定します。形式とロジックを決める際は、目的とターゲットに合わせて考えることが重要となります。
3.ロジック作成(質問と結果を作成)
ロジックに基づいて、ユーザーに投げかける質問と、それに応じた結果のセットを作成します。ここでは、ユーザーが簡単に回答できる明瞭な質問を用意し、それぞれの回答に対して意味のある、有益な結果が提供されることを意識します。
4.デザインを決める
ユーザー体験を考慮して、診断コンテンツののデザインを決定します。デザインは、診断のテーマやブランドのイメージに合わせて、使いやすく、魅力的なものにします。
5.診断コンテンツを作成する
これまでのステップで計画した内容をもとに、実際に診断コンテンツを開発します。この段階では、プログラミングやコンテンツ管理システム(CMS)などを利用して、デザインとロジックを組み合わせ、ユーザーが実際に利用できる形にします。
6.公開する
診断コンテンツの開発が完了したら、ウェブサイトやSNSなど、ターゲットがアクセスしやすいプラットフォームで公開します。
7.広める(SEO、SNS、広告)
診断コンテンツをより多くのユーザーに届けるために、検索エンジン最適化(SEO)、ソーシャルメディア、オンライン広告などの手段を用いてプロモーションします。
8.運用する(解析、改善)
公開後は、ユーザーの反応や診断コンテンツのパフォーマンスを解析し、必要に応じて質問の精度を向上させたり、ユーザー体験を改善するなど、継続的に運用・改善します。
6:診断コンテンツ制作のポイントと注意点
診断コンテンツを制作する際には以下のポイントと注意点を意識する必要があります。
・専門知識や統計データ等で信頼性を高める
診断コンテンツの価値と魅力は、その信頼性に大きく依存します。信頼性を高めるためには、専門知識や統計データを基にして質問を作成し、結果を導き出すことが重要です。例えば、医療関連の診断では、最新の医学研究や公的機関からのデータを引用することで、ユーザーに信頼されるコンテンツを提供できます。
・拡散してもらいやすい工夫をする
診断コンテンツがより多くの人に届き、共有されるようにするためには、SNSでの共有を促進するシェアボタンの設置や、結果をユニークで面白い形式で提供するなどの工夫が必要です。また、結果を視覚的に魅力的にすることで、ユーザーが自分の結果を友人と共有したくなるよう促します。
・凝り過ぎに注意
診断コンテンツを制作する際には、デザインやロジックが複雑になり過ぎないよう注意が必要です。複雑すぎると、ユーザーが途中で興味を失う原因となります。シンプルで直感的なインターフェースが、ユーザーの完了率を高めます。
・設問を増やし過ぎない
ユーザーの関心を維持し、診断を最後まで完了させるためには、設問の数を適切に保つことが大切です。一般的に、5~10問程度が適切とされています。質問が多すぎると、ユーザーは途中で疲れてしまい、診断を完了させることなく離脱してしまう可能性があります。
・診断コンテンツの完成はゴールではなくスタート
診断コンテンツを公開した後も、ユーザーからのフィードバックや解析データを基に、継続的に改善を行うことが重要です。これにより、コンテンツの精度を高め、ユーザー体験を向上させることができます。また、定期的な更新や新しい質問の追加は、ユーザーの関心を持続させ、リピーターを増やすためにも効果的です。
7:診断コンテンツ制作費用の相場
診断コンテンツ制作の費用については、ロジックやデザインによって異なりますが、平均予算は50~100万円程度となります。まずは自社の予算を伝えて、どのような要件にするのかを制作会社に相談するのが良いでしょう。
8:診断コンテンツが適した業界や商品、サービス
診断コンテンツは今では幅広い業界で活用されていますが、特に、健康・ウェルネス、美容・スキンケア、教育、金融、そしてエンターテインメント業界は、診断コンテンツを有効に活用できる分野です。これらの業界の商品やサービスは、個々のユーザーの状況や好みによって最適な選択が異なるため、診断コンテンツによるパーソナライズされた提案が非常に有効です。
9:診断コンテンツの制作事例
最後に当社の診断コンテンツ制作事例をご紹介いたします。
ブランドサイト内 診断ツール
先ほどもご紹介した、「株式会社エッチイーシグループ 香水診断」では、フレグランスブランド ディメーターの香水診断 100種類もの展開がある香水の中から、気分やイメージに合った香りを20グループからセレクトできるフローチャートの診断ツールを企画・設計・構築いたしました。
トレンドのある曲線を用いたデザインと多彩な香水をイメージした画面ごとの配色、動きなど細部にまでこだわり、「自分にあった1本」を導き出すように診断されていく商品レコメンドコンテンツです。
アプリ内 診断コンテンツ
「自然」「健康」「楽しさ」を提案するライフスタイルカンパニー 生活の木様の診断コンテンツを制作。日常の「ついつい」に答えていくと、あなたのストレス度を「ギルティご飯」で診断し、おすすめアロマを紹介します。「おもしろみがあり、質問に答えていく過程もわくわく出来るサイトにしたい」というご要望からポップなデザイン・アニメーションをご提案。診断コンテンツ作成にあわせて、オリジナルのキャラクターイラストも作成いたしました。
また、以下では本案件の実際の制作秘話をご紹介しております。診断コンテンツがどのように制作されているのかを詳しくご紹介しておりますのでぜひご覧ください!
ギルティごはん診断のサイト制作秘話
ECサイト内 診断コンテンツ
オーダーメイドの香水が購入できる「THE NOTE BAR」のECサイトを構築し、その中に診断コンテンツを入れ込みました。いくつかの選択肢に答えるだけで自身の好みに合った香りが提示される診断コンテンツを導入し、ユーザーが楽しみながら製品を購入できるサイトになっています。
まとめ
診断コンテンツは、ユーザーの興味・関心を引き立てることができるコンテンツ。
その見せ方やロジックの作り方は様々です。
楽しく商材を理解してもらえるので、ぜひ取り入れたいですね。
検討されている方は、ぜひご相談ください。
診断コンテンツ制作サービスのご紹介はこちら
また、以下の記事では企業別で診断コンテンツの活用事例をご紹介しておりますので、こちらもぜひご一読ください。
「【企業別活用事例付き】診断コンテンツについて、まとめてみました。」