2020年に入ってすぐGoogleが大きなアップデート(コアアルゴリズム・アップデート)を行いました。
「SEO対策していたはずなのに、最近、急に上位に検索表示されなくなった!」なんてことはないでしょうか。

アップデートに左右されにくいWebサイトを作ることはとても重要です。
そこで、今回はコアアルゴリズム・アップデートの概要や最新のSEOトレンド、アップデートに左右されにくくなるSEOの基礎対策をご紹介します。

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目次
1:SEOトレンドをおさえることは、近年のGoogleの方針を知ること
2:SEO対策の基本、内部対策はおさえておく
3:まとめ
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SEOトレンドをおさえることは、近年のGoogleの方針を知ること

SEOといえば、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)です。
日本に限らず、世界で90%以上のシェアを占めている検索エンジンはGoogle。
なので、GoogleのSEOに対する方針を知ることが重要なのは、誰もがわかっていることかと思います。

過去のアルゴリズムアップデート

Googleの検索エンジンには、毎年大きな“アルゴリズム・アップデート”があります。
アルゴリズム・アップデートとは、Googleが検索エンジンの結果表示順を決めるプログラムを見直すことです。

過去5年で例を挙げると以下のようなものです。

・2015年  クオリティアップデート、Rank Brain、モバイルフレンドリーアップデート
・2017年  インタースティシャルアップデート
・2017年  アウルアップデート

上記に加えて、”コアアルゴリズム・アップデート”という毎年数回大規模な更新が行われます。

直近のコアアルゴリズム・アップデート

・2014年~2020年 常時SSL化キャンペーン
・2017年  MFI(モバイルファーストインデックス)アップデート
・2018年  YMYL(Your Money or Your Life) E-A-T
・2019年  スピードアップデート
・2021年  コアWebアップデート

上記5つの変化を詳しく説明していきます。

2014年~2020年  常時SSL化キャンペーン

かつてセキュアな領域は、フォームなど重要な情報を送信するページのみに限られていましたが、
このキャンペーンによって、全ページをインターネット上の通信を暗号化(HTTPS化)するサイトが増えました。

今や検索結果に表示されるサイトは、https://~から始まるものが多いかと思います。

以下が常時SSL化キャンペーンで行われた変化です。

・常時SSL化が、Googleの検索順位を決定づける際に加味する要素の1つとされた
・SSL化されていないHTTPのページは混在コンテンツも含め、ブラウザ上で警告されるようになった
・TLS 1.0/1.1が2020年に無効化される

まだHTTPのサイトの場合は、安価なドメイン認証だけでもいいのでSSL証明書を取得する必要がありますね。

SSLに関するその他の記事を読む

2017年  MFI(モバイルファーストインデックス)アップデート

2014年のMFIからモバイルによる検索結果で、モバイルフレンドリーなページの掲載順位が引き上げられ、2018年3月よりMFIを開始しました。

モバイルフレンドリーなページを、パソコンによる検索結果でも見つけやすくされるようにするこの施策は、2019年7月からは新規サイト(それまでGoogleが存在を検出していなかったサイト)に対してMFIをデフォルトにすることとなり、ついに2020年9月からすべてのサイトがモバイルファーストインデックスの対象になります。

モバイルフレンドリーではないサイトは今年中に淘汰されるといっても過言ではありません。

2018年  YMYL(Your Money or Your Life)とE-A-T

YMYLとは「人々の生活やお金と関連が深いコンテンツ」とされており、以下がYMYL領域のページとされています。

・ショッピングまたは金銭の取引を扱うページ
・金融情報を扱うページ
・医療情報を扱うページ
・法律情報を扱うページ
・ニュース記事や国民に対する公的な情報を扱うページ  など

上記のようなYMYL領域ページにはGoogleが検索品質評価ガイドラインで定めているE-A-Tという概念が重要とされており、E-A-Tは「専門性/権威性/信頼性」が高いWebサイト・ページを評価することを明示しています。

YMYL自体は2013年頃よりGoogleの品質評価ガイドラインに登場していましたが、
2016年に、ヘルスケア系のキュレーションサイトが信ぴょう性の低い記事を多数掲載しPV数を稼ぐサイトについてが社会問題化したことによって、
2017年末より、日本のみに医療や健康に関する情報の精査を目的としたアップデートを行われ、日本ではよりYMYLが重要視されるようになりました。

E-A-T 参考:https://webmaster-ja.googleblog.com/2019/10/core-updates.html

2018年 スピードアップデート

2018年7月よりページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用されました。
ページ読み込み速度はPageSpeed InsightsTest my siteにて確認することができます。

今のところ、どの程度、検索ランキングに反映されるかは公表されていませんが、ユーザーエクスペリエンスの指標として、ツールを使って表示速度は確認しておいた方が良さそうです。

余談ですが、モバイルでの表示速度を上げる技術で、GoogleとTwitterが共同で開発したAMP(Accelerated Mobile Pages)があります。簡単にいうとGoogleやTwitterのサーバにキャッシュさせることで、モバイルページの表示速度が約4倍、データ量が約1/10になる技術です。

Google検索結果にもAMP対応をしているサイトには雷マークが表示されますが、現在の検索順位への影響は公式には発表されていません。

2021年  Core Web Vitals(コアWebバイタル)

Googleは2021年以降に、Core Web Vitals(コアWebバイタル)を検索のランキング要因に組み込むことを2020年5月に発表しました。

Core Web Vitalsは3つのユーザー体験の健全性を対象としています。

・ページの表示速度
・ユーザー操作への反応性
・視覚要素の安定性

すでにPageSpeed Insightなどのツールでも、Web Vitalsの数値化をするために重要な指標として次の3つを設定しています。

・Largest Contentful Paint (LCP):ページで最も大きな要素が読み込まれるまでの時間を指す
・First Input Delay (FID):最初の入力をユーザーが実行できるようになるまでの待機時間を指す
・Cumulative Layout Shift (CLS):レイアウト移動を測定する指標

こちらの改善が今後のSEO対策でも重要視されます。

今までのSEO対策のイメージからかけ離れて、UXの改善がSEOになるという時代になったといえるでしょう。

SEO対策の基本中の基本、内部対策はおさえておく

トレンドの次は、SEO対策の中でも基本中の基本である、内部対策についてご紹介します。
先ほどのSEOトレンドの話とは異なり、ずっと前からSEO対策に必須と言われていた施策ばかりです。

ご存知の内容は多いと思いますが、基本を抑えることで、Googleのアップデートに左右されないサイトに近づけます。
あらためて振り返ってみましょう。

TDKH(title、description、keyword,見出しタグ)のテキスト情報

Meta情報であるtitle、description、keyword、そして見出しタグであるh1を略したものになります。
いずれも、先頭付近のキーワードの方が優先的に効果を見込めると言われています。

検索結果として表示される場合もあるので、ページ・製品・サービスの特長を端的にアピールすることでクリック率向上が見込めます。
なお、keywordはGoogleの評価対象とはなっていませんが、サイト内検索やGoogleの動的検索広告を使用する場合は利用するので、設定しておきましょう。

コンテンツのテキスト情報

以下の点を注意しましょう。

・最低1ページあたり200文字以上のテキスト領域を設置
・対策キーワードは前半部分に3箇所以上設置
・共起語ともなる関連キーワードも盛り込む
・流用ではない、オリジナルの画像や動画をテキスト周辺に配置
・そのほか、出現回数が多くなりすぎないようにページ全体にテキストを充実させる

HTMLソース

以下の点を注意しましょう。

・「style=”display:none”」や「style=”visibility: hidden”」 といった隠しテキストは不適切
・alt属性は代替テキストなので、画像などの内容を端的に表現する
・title属性はタグごと省略してもよいが、代替テキストで表現できない場合、altは空でいれておく(alt=“”)
・strongなど強調タグを太字にするなどの目的で乱立させない

インデックス操作

www付き、wwwなし、htttp、htttps、indexあり、indexなしと挙げるだけでも同じページのURLが様々な形でアクセスできますので、301リダイレクト(恒久的な転送)で一つだけのURLに統一しましょう。分散されたページへの評価を統一することができます。さらに、インデックスさせたいURLで設定します。

重複するコンテンツが存在する場合も同様です。
内容の薄い同内容のページがある場合は設定を行いましょう。また、存在しないURLへのアクセスは404処理にて、オリジナルのエラーページを表示させる設定をしましょう。

さらに、sitemap.xmlを最新バージョンで記述し、robot.txtと一緒に第一階層に設置します。
sitemap.xmlはSearchConsoleへ送信することで早いインデックスが期待できます。

内部リンク・URL表記統一・パンくず・不自然な外部へのリンク

・インデックス操作と同様、リンク先のURL表記を統一
・SEOで重要なページへのアンカーリンクテキストに自然にキーワードを盛り込む
・共通部分のフッターなどにまとめてリンクを設置する場合は、30個程度
・パンくずリストを設定する
・リンクファームと判断されぬよう、ユーザーにとって価値のない相互リンク集などのページは作らない

構造化マークアップ

検索結果に構造化データに応じた内容が表示させたり、検索エンジンにマークアップした箇所の情報がより正確に伝える役割を持つのが、構造化マークアップです。
定義するボキャブラリーはschema.orgが主流ですが、記述方法であるシンタックスはJSON-LD形式やmicrodata形式やRDFa形式などざまな形式があります。
構造化することで、検索結果をリッチリザルトにすることができます。

・パンくずリスト
・カルーセル
・よくある質問
・イベント情報
・動画
・レビュー
・会社ロゴ画像

テストツールがありますので、実際に試してみると良いでしょう。

リンク切れ

リンク切れは検索エンジンの評価を落とします。Google Search Consoleにてクロールエラーを確認し、リンク切れを見直しましょう。

多言語ページ

多言語サイトを実装する場合、国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)と呼ばれる2文字のアルファベットを言語サイト毎で分けるのが基本です。(.jp、.cnなど)
しかし、サブドメインの場合や地域性を持たないジェネリックトップドメイン(gTLD)においては、Google Search Consoleにおいて、「インターナショナルターゲティング」という地域を指定するツールを利用する必要があります。
また、サブディレクトリで言語領域を分ける場合、headタグ内やsitemap.xmlに、”hreflangステートメント”を設定し、どの地域のユーザーがターゲットなのかを明記することを推奨します。

まとめ

SEOのアルゴリズムは、定期的に更新されます。
今、検索順位が高くてもアルゴリズムのアップデートによって急落することもあります。そのため基本的な内部施策を徹底することで、アップデートによる悪影響に左右されないサイト構築・運用が重要です。
自社サイトの対策が十分か不安な方はぜひご相談ください。

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