こんにちは、 プランナーの古川です。
今、当社ではECサイトのご相談が急増しています。
このご時世で「どうやって売上を確保するか」「今、何かを仕掛けられないか?」と新規事業としてECサイトの構築をご検討されている企業様が多くいらっしゃいます。
本日は、「ECサイトをやるのはいいけど、実際にどうしたらいいかわからない」といった企業様向けに、ECサイトの「企画・設計」「構築」「公開」「運用」の4つフェーズごとに企業担当者様がやるべきことをピックアップしました。
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目次
1:企画・設計時のポイント
2:構築時のポイント
3:公開時のポイント
4:運用時のポイント
おわりに
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1:企画・設計時のポイント
まず、「ECサイトを作りたい!」と思った段階で下記項目を順に検討していきましょう。
設計時に決めておきたい項目
設定項目 | 内容 |
販売商品 |
どの商品を売るのか?点数やカテゴリー数はどのくらいあるのか?
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販売価格 | いくらで売るのか? |
ターゲット(ペルソナ) |
企業か個人か?国内か海外も含むのか?年代や性別、嗜好など
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社内の運用体制 |
誰が商品管理受注管理発送業務サイト企画運用を行うか?
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競合サイトとその特徴 |
競合サイトのECサイトはどのようなものか?
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サイト強みは何か?
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競合と比較し時に勝つポイントはどこか?
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自社商品がよりこだわりがある、安い、品質がいい、商品数が多い、
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ターゲットがはっきりしており、明確に訴求しやすいなど
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予算 |
初期と運用それぞれいくらくらいか?
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納期 | いつ公開したいか? |
採算シミュレーション
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月々の売上目標をいくらに設定するか?
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資金回収を何年で行いたいか? | |
欲しい機能
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基幹システム連携の在庫管理、メルマガ、動画の埋め込み、カラー展開、
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承認機能、価格の出し分け、会員グルーピングなど
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イメージに近い参考サイト |
デザインの参考、商品ラインナップの参考、欲しい機能の参考など
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社内である程度この項目が埋まり、イメージが湧いたら、WEBの制作会社に相談を実施します。
(もちろん、すべてが明確に埋まっていなくても大丈夫です!) 上記項目を相談時に制作会社へ共有しておくことで、イメージに近い提案内容があがってきやすくなります。
また、ECサイトには「商品を選ぶ→カートに入れる→決済をする」といった一連の流れが必要なため、それを叶えるシステムが必要になります。
※私たちはよく「カートシステム」と呼んでいます。
カートシステムの主な種類
カートシステムには主に以下の種類があります。
・ASP(futureshop、Makeshop、Shopify、カラーミーショップ、BASE など)
・オープンソース(ec-cube、magento など)
・ECパッケージ(ecbeing、EC-ORANGESI、Web Shopping など)
・クラウドEC(えびすマート など)
・フルスクラッチ
機能が複雑なものでない限り、ASPを利用するケースがほとんどです。
理由は初期導入が一番安く、運用費もコストパフォーマンスに優れているからで、
商品ページ作成、注文管理、配送管理、顧客管理、売上管理などの多くの機能が基本的についており、月々数千円~数万円で利用可能です。なお、ASPの種類は多数あるので、それぞれに特徴があるため、その中から最適なものを選びましょう。
※ASPは制作会社が提案する場合が多いです。
実店舗とECサイトの比較表
リアル店舗を運営している企業様にとっては、ECサイトとどう違う箇所があるかの特徴をわかっておくことも大切です。
実店舗 | ネットショップ | |
対象エリア | 店舗周辺に限定 | 全国・全世界で可能 |
購買までの行動 | 直接商品を見て、触って確かめるので、納得・安心感がある | 写真と文字での判断なので多少の不安がある |
集客方法 | 口コミ、通りがかり、ホームページ | サイト上の広告、SNSなどの販促 サイト単体の施策なしでの集客は難しい |
商品の配送 | 基本的に不要 | 可能 |
営業時間 | 開店時のみ販売が可能 | 年中無休・24時間注文可能 ※問い合わせ・発送は別 |
商品への質問 | 店員に直接質問できる | 電話やメールでの問い合わせ |
運用にかかる費用 | 人件費、家賃などの固定費 | 家賃の代わりにサーバー費用が必要 人件費も半日などでも対応可能 |
なんといっても、対象エリア・営業時間に制限がないのが大きな特徴ですね。
2:構築時のポイント
要件が固まって、いざ構築フェーズに入ると、企業担当者様は素材準備・確認作業がメイン業務になります。
構築期間は数か月かかることも多く、細かな確認も多いフェーズで大変ですが、ここでのがんばりが公開後の売上に大きく影響することを念頭に置き、がんばりましょう!このフェーズで確認していただきたい項目は以下の通りです。
・ターゲットや商品に合ったデザインになっているか?
・商品の訴求力は十分か
・強みがちゃんといかせているサイトか
・購までの動線は短いか?
・商品は探しやすいか?
・購入単価・購入点数をあげる施策は設計面でできているか?
・PC/スマートフォン両方でのデザイン表示は最適化されているか?
・購買欲が高まるデザインや商品画像になっているか?
イメージが湧きづらい方がいれば、
「自分が購入する立場だったらストレスなく購入までいけるか?」という視点でチェックしましょう。
事例:商品詳細ページの確認ポイント
たとえば、商品詳細ページは
・商品画像
・商品名
・品番
・商品概要(容量、サイズ、素材、色など)
・金額
・カートボタン
の表示が必須なので、何もしないでも入る項目です。逆に、
・商品のこだわり文章や画像
・動画埋め込み
・レコメント表記(このカテゴリーの商品や最近チェックした商品などの自動表示)
は追加要件にあたります。これらは購入率のアップには効果が高いと言われていますが、入れていないケースをよく見ます。
理由の多くに、設計時に単に定義出来てないケースがあり、正直もったいないなと感じます。
競合や参考サイトなどで「これいいな」と思う機能やデザインがあれば、設計フェーズに入る前に依頼会社へ共有しましょう。ASPによっては、標準でつけることができる機能もあるので、どのシステムを使うかが決まった段階でどういった機能が申し込みプランで使えるかを把握し、模索することも有効的です。
3:公開時のポイント
長い構築がやっと終わり、さぁ、いよいよ公開です!
ここまできたら仕上げ・・・と思いたいところですが、サイトとしてはここからがやっとスタート地点です!ここで覚えておいて欲しいことがあります。
自社でECサイトを運営する場合の最大のポイントが「集客」です。
店舗もサイトも同じで、人が来ないと売上は上がりません!
また新規でサイトを作る場合、サイトはすぐにGoogleやYahooの検索結果で上位表示できるわけではありません。たとえば、「京都 お取り寄せ」と検索して出てくる結果は以下の通りです。
なお、表示件数は、55,500,000ページあります。(※検索窓の下の数字です)
この中から検索した人にサイトを選んで頂かなくてはいけないです。
だからこそ、どうやってサイトに人を呼び込むのか?をきちんと計画しておく必要があります。
ECサイトの集客施策
具体的にはこのような施策があります。
・キャンペーンやプレスリリースをなどの告知施策を検討する
・広告配信を検討する
・SNSアカウントを立ち上げて拡散する
・社内で周知をさせる
・使っているシステムの理解をしっかりとリリース前に深めておく
・既存のサイト、SNSとの連携作業
サイトは運用をして「育てる」ものなので、各種施策を施していく必要があることを念頭においておきましょう。施策を行っても、サイトに効果が表れるまで数か月かかるケースが多いため、予算を考える際に、
・初期費用に広告や既存サイトとの連携改修費用を含んでおく
・運用費用を低くしすぎないこと
をおすすめします。
4:運用時のポイント
4つのフェーズの最後です!
ECサイトを運用する際のポイントが、定点観測をする指標を決めておくことです。
指標のおすすめは以下の項目です。
・売上、購入点数、販売単価、購入者数
・新規/リピートの割合、離脱の高いページはないか?
・売れ筋商品の特徴
・サイトのCV数、転換率、PV数やセッション数
・SEOをはじめとするキーワード対策
サイトはいろんな視点の数字を把握できるメリットがあります。
把握する項目を決めておくことで、運用時の戦略が立てやすくなります。効果測定の方法については、
・GoogleAnalytics
・ASPのレポート機能
・サイト分析、集計ツール
などがありますが、まずは無料のGoogleAnalyticsで効果測定をしてみましょう。
おわりに
私たちもたくさんの企業様のECサイトを構築、運用支援しておりますが、
効果が上がっている企業様はは共通して、専門の担当者様がいらっしゃったり、
事前の設計や構築時のやりとりでイメージをしっかり持っている企業様だったりします。
きっとこの記事を最後まで読んでいただいた方であれば、ECサイト立ち上げにむけて、少しだけ前進されたのではないでしょうか?
最適で最高のECサイトを作れますように!
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