プランニング業務を行う際に、お客様にヒアリングをすることが多いのですが

・Webサイトのリニューアルを行ったがコンバージョン率(※以下CVR)が上がらない
・Webサイト全体のリニューアルをする費用は無いが、CVRを上げていきたい
・以前よりWebサイトのCVRが下がってきた

といったご相談やお悩みをよくいただきます。その際に「ABテスト」をご提案することがあるのですが、実際のところ

・ABテストのやり方が分からない
・本当にABテストは効果があるのか
・そもそもABテストを知らない

と、あまり詳しくないお客様も多いのかなという印象を持っています。

しかしながら、ABテストは実施する方法や注意点に気を付けておけば、確実に成果をあげることができます。
最近では無料のABテストツールもあり、コスト・準備などの手間が少なく簡単に始めることができます。
そこで今回は、無料のツールを弊社サイトに導入してABテスト実施してみました。
実際にCVRも向上しましたので、その成功事例をもとにABテストを成功させる秘訣をご紹介いたします。

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目次
1.たった10分の作業でCVRが2.5倍に
2.効果を出すためには仮説を立ててサイトの課題を見つける
3.ABテストで実施する上でここだけは注意するポイント
4.今回利用したツール
5.まとめ

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1.たった10分の作業でCVRが2.5倍に

弊社サイトの場合、お問い合わせフォームからWebサイトの新規制作やリニューアルのご相談をいただくため、「お問い合わせフォームの送信完了」がコンバージョンとなります。

そこでお問い合わせフォームページのリード文でテストパターンを準備し、約3か月ほどABテストを実施しました。その結果が下記になります。
ABテスト事例画像

▼結果

■元のリード文の場合 : CVR5.88%
■ABテストしたリード文の場合 : CVR14.3%

※上記ビュースルーにおけるCVRです
※ビュースルーとは、リード文までスクロールしたユーザーがクリックした確率です。

いかがでしょうか?フォームのCVRが約2.5倍に上昇しました!
Webサイト全体で何か大きな変更をしたわけではなく、お問い合わせフォームのリード文のみを変更しただけです。具体的な変更内容としては以下になります。

■元のリード文 : CVR5.88%
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下記の必要事項をご入力いただき、「個人情報の取り扱いについて」に同意の上、
「入力内容を確認する」ボタンをクリックしてください。
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■テストしたリード文 : CVR14.3%
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Webサイト制作・ホームページ制作からWeb広告をはじめとしたWebサービス、Webマーケティングに関してのご依頼や日頃のWebサイト運営やWebサイトの新規構築・リニューアルに関するお悩み・疑問などお気軽にお問い合わせください。
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今回のAB実施にあたり、まず仮説を立てることからはじめました。

▼仮説

■ユーザー
Webサイトにあまり詳しくない企業のご担当者

■課題
Webサイトに詳しくないご担当者の問い合わせを逃してしまっている

■原因
ユーザーはWebサイトに詳しくないため「何をどのようにお問い合わせすればよいのか」が分からず、問い合わせする際の心理的ハードルが上がってしまっている

上記の仮説に基づきサイトを見直し、問い合わせフォームのリード文に原因があると考えました。
そこで、テストパターンでは、弊社のサービス範囲であったり、どういうレベルでお問い合わせすればよいかが、Webサイトに詳しくないご担当者にとっても伝わりやすい文章を用意しました。
結果としてCVRは上昇し、仮説が正しかったことが証明されました。

2.効果を出すためには仮説を立ててサイトの課題を見つける

ABテストを行う上で、仮説を立てることが重要です。あらかじめ仮説を立てることで、「どの箇所で、どのようなテストパターンを作成するか」といった方向性を決めやすくなり、テストパターンのどの要素で効果が出たかが検証しやすくなります。

仮説を立てた上で、Webサイトをチェックすることで課題を見つけることができます。
チェックする際は、コンテンツと設計という二つの視点を意識してください。

▼チェックするポイント

サイトに掲載しているコンテンツの課題を見つける
・どんなユーザーがサイトに訪れたか
・そのユーザーの目的、ほしい情報は何か
・ユーザーの目的に対して、訴求したい内容はあっているか
・訴求したい情報の表現方法や言い回しは正しいか

サイト設計の課題を見つける
・Webサイトはメニューやナビゲーションは操作しやすいか
・掲載されている情報を読みやすいか、閲覧しやすいか
・ボタンが見つけやすいか、押しやすいか

普段から自社Webサイトに見慣れている担当部署の方ですと課題を見つけにくかったり、見落としてしまうことがありますので、他部署の方にも協力いただきながらできるだけ客観的にチェックしましょう。

お問い合わせがコンバージョンとなるサイトのケースで、TOPページ、お問い合わせページをチェックした場合はこんな課題が挙げられます。

▼TOPページからお問い合わせフォームまでの導線

・サイトに訪れたユーザーの知識に対して専門用語を使いすぎていないか
・問い合わせボタンが見つけにくく、目立っていないのではないか
・クリックしたいと思える情報がないのではないか

▼お問い合わせフォーム内において

・ユーザーが入力する項目数・必須項目が多い
・確認画面に遷移するまで入力エラーがわからない
・何を問い合わせたらいいかがわかっていないユーザーに対する説明がない

弊社の事例の場合、「何を問い合わせたらいいかがわかっていないユーザーに対する説明がない」という点が該当しました。そこで、フォームページのリード文でABテストをしてみたら、、、。
といったようにまず仮説を立ててサイトチェックすることで、よりCVR向上に繋がりやすいABテストを実施することができます。
また、今回結果的にCVRが向上したことで、一応仮説が正しかったことが証明できました。この結果は、その他の改善案を立てる際の指標になります。例えば、

■前提:やはり、あまりWebサイトに詳しくない方がアクセスしている
■改善策
⇒TOPページやサービス紹介ページの説明を具体的にする。
⇒他のページでも専門用語はわかりやすい言葉に置き換える
といったように、改善案を立て、さらなるCVR向上につなげていくことができます。

3.ABテストで実施する上でここだけは注意するポイント

いざABテストを実施する!その前に、以下のようなことには注意しておく必要があります。ABテストでしっかり成果をあげる、正しく仮説を検証するために必須です!

▼ABテストを実施する前の注意点

・ABテストを実施して効果が見えやすいページや箇所から始める
・ABテストはページ内の1箇所だけにしておく
・PV数、アクセス数がある程度あるページにしておく
・事前に実施期間を決めて必ず守る
・ABテストの目的と仮説を考えてからABテストをはじめる

ただ闇雲にABテストをはじめるのではなく、これらの点を意識しましょう。

4.今回利用したツール

今回の弊社事例では、多くのWeb担当者様にABテストを実施していただくため、無料のABテストツール「juicer」を活用しました。(「juicer」の紹介ページはこちら https://juicer.cc/
juicerは、管理画面が非常にわかりやすく、専門知識がなくとも簡単にABテストを実施できます。

今回の記事では、非常にざっくりの説明になりますが、
あらかじめテストパターンのテキストや画像素材を用意しておけば、下記ステップで10分程度で設定が完了いたします。

▼設定完了までの流れ

(1)新しいABテストを行うボタンをクリック
(2)実施を行うページをクリック or 実施を行うページのURLを追加
(3)ページ内のABテストする該当箇所をクリック
(4)ABテストする画像やテキスト、リンク先を登録
(5)プレビューで確認・テスト名を登録で設定完了

5.まとめ

WebサイトのCVRをあげる最大の近道は、Webサイトに訪れるユーザーの視点に立って仮説を立て、Webサイトを見つめなおし続けることです。
つまり、➀課題抽出⇒➁仮説立案⇒➂検証⇒➃改善策の実施というフローを繰り返し行うことが重要です。そのフローの実践に、ABテストは最適な手法です。

弊社では、ABテストツールの導入から実施のコンサルティングまでを行っておりますので、WebサイトのCVRを向上させていきたいとお考えの方はお気軽にご相談ください。

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