ネットの普及により、さまざまな情報を効率的に入手できる場としてポータルサイトの需要がますます高まっています。ビジネスの分野から地域のコミュニティまで、多種多様な目的に応じてポータルサイトが構築され、利用されています。しかし、成功するポータルサイトを作るには、単にページを作るだけではなく、いくつかの注意点や適切な手順を考慮することが必要です。

この記事では、ポータルサイトの種類や作り方、制作における注意点を網羅的に解説しています。ポータルサイトの制作をお考えの方は、ぜひご一読ください。

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目次
1:ポータルサイトとは?
-ポータルサイトとホームページの違い
2:ポータルサイトの種類
-総合型ポータルサイト
-検索型ポータルサイト
-地域型ポータルサイト
-口コミ型ポータルサイト
-社内ポータルサイト
-ブログ型ポータルサイト
3:ポータルサイトの作り方
-要件定義
-サイト構成の作成
-デザインの作成
-コーディング
-システムの構築
-テストとリリース
4:ポータルサイト制作の注意点
-ユーザー体験(UX)の向上
-セキュリティ対策の徹底
-コンテンツの継続的な更新
5:まとめ
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ポータルサイトとは?

ポータルサイトとは、インターネット上で特定の情報やサービスにアクセスできる「玄関口」となるウェブサイトのことです。多くの情報を一箇所に集約し、ユーザーが簡単に目的の情報やサービスにたどり着けるように設計されています。企業や自治体、団体などが運営することが多く、ニュース、天気、検索機能、オンラインサービスなど、さまざまなコンテンツを提供しています。
具体的には、「Yahoo! Japan」のような多様なサービスが提供されたものや、自治体が住民向けサービスや観光情報などを集約して提供する「〇〇県公式サイト」のようなものが挙げられます。

ポータルサイトとホームページの違い

ポータルサイトとホームページは役割が異なるため、それに伴って機能や構成も異なります。
まずポータルサイトは、上で説明したように多くの情報やサービスを集約し、ユーザーが一度にさまざまなコンテンツにアクセスできる「入り口」の役割を持っているため、多機能な構成になっています。
一方でホームページは、特定の企業や組織、個人が自社情報やサービスを紹介するためのツールとして利用されるケースが多く、ポータルサイトと比較するとシンプルな機能のものが多くなります。例を挙げると、企業のコーポレートサイトや個人のブログサイトがホームページに該当します。

ポータルサイトの種類

ポータルサイトは、その目的や機能に応じていくつかの種類に分かれます。以下では、主な6つの種類について詳しく説明し、それぞれの実例を交えて紹介します。

総合型ポータルサイト

総合型ポータルサイトは、ニュース、検索、ショッピング、天気、メール、エンターテイメントなど、さまざまな情報やサービスを一箇所で提供する「入り口」として機能します。これらのサイトは、ユーザーが多様な目的でアクセスし、日常的に利用することが特徴です。例えば、仕事に関する情報、娯楽、買い物など、複数のニーズを同時に満たすため、非常に広いユーザー層に対応しています。

実例では、日本を代表する総合型ポータルサイトであるYahoo! Japanが挙げられます。ニュース、天気、ショッピング、オークション、検索エンジン、メールサービスなど、さまざまな機能が一つのサイトに集約されています。特に、ポータルのホームページには、日常的に更新されるコンテンツが表示されるため、ユーザーは常に新しい情報を得ることができます。

検索型ポータルサイト

検索型ポータルサイトは、ウェブ上の情報を効率的に検索するための機能に特化したサイトです。ユーザーが求める情報を短時間で見つけ出すことができるように、検索アルゴリズムを駆使して膨大なデータを整理・表示します。通常、検索結果には広告や関連サービスも表示され、ビジネスチャンスの創出に貢献します。

上のYahoo! Japanにも検索型ポータルサイトの機能が存在しますが、その他の実例としては、世界で最も利用されている検索型ポータルサイトのGoogleが挙げられます。
検索窓にキーワードを入力するだけで、瞬時に関連するウェブサイトがリストアップされます。また、Googleはウェブ検索以外にも、画像検索、地図検索(Google Maps)、ニュース検索、動画検索(YouTube)など、多様な検索サービスを提供しています。

地域型ポータルサイト

地域型ポータルサイトは、特定の地域に関連した情報を提供するサイトで、地域の住民や観光客にとって有用なローカル情報を集約しています。イベント情報、観光スポット、地域企業の紹介、地元ニュースなど、地域に根ざしたコンテンツが豊富に揃っており、地域社会の活性化に貢献する役割も担っています。

実例としては、都道府県や市町村が運営するポータルサイトが挙げられ、地域のニュース、イベント情報、飲食店の紹介などを扱っています。地元住民向けのリアルタイムな情報が得られるだけでなく、観光客にとっても有益な情報源となっています。

口コミ型ポータルサイト

口コミ型ポータルサイトは、ユーザーのレビューや評価を集め、それをもとに情報を提供するサイトです。ユーザーが実際に利用したサービスや商品に対する体験談を投稿し、それを他のユーザーが参考にする形で運営されています。口コミは、個人の信頼に基づく評価であり、特に飲食店や美容、ショッピングなどの選択において重要な指標となります。

実例として、飲食店の口コミに特化したポータルサイトのRettyが挙げられます。
ユーザーが自分の体験に基づいたレビューを投稿し、それをもとに他のユーザーが飲食店を選ぶ手助けをしています。個人の信頼性や評価が重視され、食事のクオリティやサービスに関するリアルな意見を得られます。

社内ポータルサイト

社内ポータルサイトは、企業や団体内で情報共有を行うためのウェブサイトです。社内文書の管理、プロジェクト管理、スケジュール共有、メールの送受信など、業務に必要な情報やツールを一元的に管理することで、従業員間のコミュニケーションや作業効率を向上させます。リモートワークや多拠点展開の企業にとって、非常に重要な役割を果たしています。

社内ポータルサイトはその他のポータルサイトとは異なり、従業員や会社の関係者のみ閲覧できるように限定されています。

ブログ型ポータルサイト

ブログ型ポータルサイトは、個人や企業がブログ形式で情報を発信し、それを集約してユーザーが閲覧できるようにしたサイトです。コンテンツは通常、時系列で並べられ、記事ごとにカテゴリーやタグで整理されているため、特定のテーマに関心のあるユーザーが効率的に情報を得ることができます。ユーザー同士のコミュニケーションや情報共有の場としても活用されます。

実例としては、日本国内で最も有名なブログ型ポータルサイトの一つであるAmebaブログが挙げられます。
個人ユーザーが自身の日常や趣味に関する記事を投稿し、多くのフォロワーや読者とコミュニケーションを取ることができます。芸能人や著名人がブログを開設していることでも知られ、幅広い層のユーザーに支持されています。

ポータルサイトの作り方

ポータルサイトは主に以下の6ステップで進めていきます。

要件定義

要件定義は、ポータルサイトの目的、ターゲット、必要な機能やコンテンツを明確にするプロセスです。
まず、サイトの目標を具体的に設定し、何を実現したいかをはっきりさせます。これには、どのようなユーザーにどんな情報を提供するのか、サイトの主な目的は何か、ユーザーがどのデバイスでアクセスするのかなどを決める作業が含まれます。また、サイトに必要な機能をリストアップし、検索機能やユーザー登録、ニュース配信などの重要な要素を定義します。

サイト構成の作成

サイト構成では、各ページやコンテンツの配置とリンク構造を決定します。
この段階では、ユーザーが目的の情報に簡単にたどり着けるように、ナビゲーションメニューやページの動線を設計します。重要な情報が目立つようにナビゲーションを整理し、ユーザーが直感的に操作できるレイアウトを作成することが大切です。また、ページを階層的に整理して、ユーザーがトップページから詳細な情報へとスムーズにアクセスできるように工夫します。

デザインの作成

デザインの作成では、ユーザーインターフェース(UI)とサイト全体のビジュアルデザインを設計します。
ユーザーにとって操作しやすく、見やすいデザインを作成することが重要です。特に、PCだけでなくスマートフォンやタブレットでも快適に閲覧できるレスポンシブデザインを採用することが推奨されます。また、アクセシビリティにも配慮し、色覚障害を持つユーザーや視力の低いユーザーにとっても利用しやすいデザインを心がけます。シンプルで直感的な操作ができるように、過度に装飾を施さずに必要な要素を整理したレイアウトが効果的です。

コーディング

デザインに基づいて、HTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語を使用してサイトのコーディングを行います。
この段階では、ページの読み込み速度や検索エンジン最適化(SEO)を考慮して、軽量なコードを記述し、最適化された画像を使用します。さらに、クロスブラウザ対応も重要です。これは、主要なブラウザ(Chrome、Firefox、Safariなど)で同じように表示されることを確認するためです。また、コードは検索エンジンにフレンドリーな形式に書くことで、SEO対策にも効果を発揮します。

システムの構築

システムの構築では、ポータルサイトに必要な機能やバックエンドシステムを開発します。
例えば、ユーザーが登録・ログインできる仕組みや、データベースを使った情報の動的な表示などがこれに含まれます。また、セキュリティ面でも強固な対策が必要で、SSL証明書を導入し、データの暗号化を行うことで、ユーザーの個人情報を保護します。データベース設計では、効率的にデータを管理し、ユーザーがスムーズに必要な情報にアクセスできるような構造を設計することが大切です。

テストとリリース

最後に、サイト全体の動作テストを行い、問題がないか確認します。
全てのリンクが正常に動作しているか、スマートフォンやタブレットなど複数のデバイスでの表示が最適化されているかを確認します。また、テスト段階で発見されたバグや不具合は迅速に修正し、リリース前に全ての問題を解決しておく必要があります。特にリンク切れや操作性の問題はユーザーにとって大きな不便となるため、徹底した確認が求められます。すべてのテストが完了し、問題がなければサイトを公開(リリース)します。

ポータルサイト制作の注意点

最後にポータルサイト制作の際の注意点を解説します。

ユーザー体験(UX)の向上

ユーザー体験(UX: User Experience)は、ユーザーがポータルサイトを利用する際に感じる「使いやすさ」や「満足感」のことを指します。ポータルサイトは情報量が多いため、特に直感的でわかりやすいデザインやナビゲーション設計が重要です。ユーザーが目的の情報にすぐにアクセスでき、ストレスを感じずに操作できることが、再訪率を高める大きな要因となります。

セキュリティ対策の徹底

ポータルサイトは、特にユーザーが個人情報を入力する機会があるため、セキュリティ対策が非常に重要です。不正アクセスやデータ漏洩は、企業やサービスへの信頼を失わせ、最悪の場合、法的な問題に発展する可能性もあります。基本的なセキュリティ対策を確実に行うことで、サイトとユーザーの安全を守ることができます。

コンテンツの継続的な更新

ポータルサイトは、継続的に新しい情報を提供する場です。そのため、定期的にコンテンツを更新することが非常に重要です。サイトを訪れるユーザーは、新しい情報や役立つコンテンツを求めているため、更新が滞っているサイトは徐々に利用者が減少してしまいます。また、頻繁な更新は、検索エンジンからも評価されやすくなり、SEOにも良い影響を与えます。

まとめ

ポータルサイト制作の際には、いくつかの注意すべき点と正しい手順を踏む必要があります。そこで、効果的なポータルサイトを作成するためには、専門家に相談するのが良いでしょう。

ブリッジコーポレーションでは、ポータルサイトの実績がございます。お客様のご要望に応じて柔軟に対応が可能となりますので、ポータルサイト制作をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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