Googleアナリティクスの旧バージョン「UA(ユニバーサルアナリティクス)」では直帰率が重要な指標でした。新バージョンである「GA4」では直帰率という指標がなくなり、代わりに「エンゲージメント」という指標が追加されました。この記事ではこのエンゲージメントというキーワードの概念から、エンゲージメントにおける見るべきポイントをご紹介します。

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目次
1:GA4のエンゲージメントとは
2:GA4でエンゲージメントを見る方法
3:エンゲージメント率の目安
4:エンゲージメントを向上させるポイント
5:まとめ
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GA4のエンゲージメントとは

GA4におけるエンゲージメントは、ユーザーがウェブサイトやアプリケーションで行った有意義なアクションを測定する指標です。つまり、エンゲージメントをみることで、「ユーザーがサイトに関心をもってくれたか」を分析することができます。Googleアナリティクスの旧バージョンであるUAでは「直帰率」が重要なポイントでしたが、GA4では直帰率の代わりにこのエンゲージメントが重要な指標になります。ちなみに、SNSにおけるエンゲージメントは「いいね」「コメント」「シェア」といったユーザーの特定のアクションのことを指しますが、GA4ではクリック、スクロール、ページ閲覧など、ユーザーのすべての行動をエンゲージメントとして定義されています。定義が広すぎるので分析できるポイントも多岐に渡るのですが、特に押さえておくべきポイントが3つあります。

GA4で見るべきエンゲージメント指標

エンゲージメントのあったセッション数
以下のいずれかの条件に該当するセッションだった場合、エンゲージのあったセッションとしてカウントされます。
・ユーザーが10秒以上セッションを継続した場合
・コンバージョンイベントが発生した場合
・2ページ以上閲覧した場合
この数値が高いほど、サイトに関心を持ったセッションが多いということになります。

エンゲージメント率
全体のセッション数に対してエンゲージメントがあったセッションの割合です。計算式は、エンゲージメントのあったセッション数を全セッション数で割った値です。この数値が高いほど、サイトに関心をもったユーザーの割合が多い、つまりユーザーの関心を惹きつけやすいサイトと言えます。

平均エンゲージメント時間
ユーザーがサイトやアプリ内で有意義に過ごした平均時間。計算式は、総エンゲージメント時間をエンゲージメントのあったセッション数で割った値です。この時間が長いほど、ユーザーが長くサイトを見てくれた、つまりコンテンツを読み込んでくれた時間と言えます。ただし、サイトの設計や導線が悪くユーザーを迷わせてしまったとも考えられるため、エンゲージメント率などの指標と合わせて分析する必要があります。

UAの直帰率とGA4のエンゲージメント率の違い

UAおける直帰率は、ユーザーが1ページだけ見て離脱する割合を示します。この直帰率が高いと「ユーザーはサイトに関心を持たなかった」とも見れますが、メディアサイトやLPなど1ページだけをじっくりみるサイトの場合、直帰率ではコンテンツを正しく評価できません。そこでGA4では、エンゲージメント率を分析することで、ユーザーの関心度を正しく分析できます。具体的には、計測方法に以下のような違いがあります。

直帰率
1ページのみ閲覧したセッションの割合。この数値が高いと「ユーザーが関心を持たないサイト」と言える。が、前述の通りメディアサイトやLPなど直帰率が高くなりやすいサイトもあるため、滞在時間なども含めて多面的に分析する必要がある。

エンゲージメント率
ユーザーがサイト内でエンゲージメント行動を取ったセッションの割合。この数値が高いと「ユーザーが関心を持つサイト」と言える。

GA4でエンゲージメントを見る方法

GA4でエンゲージメントを見る方法は、複数の画面やレポートのカスタマイズや「探索」などを活用して詳細な分析が可能です。ここではチャネル別(サイトへの訪問経路別)に先ほどご説明した3つのエンゲージメント指標を見る基本的な方法をご紹介します。
GA4の画面上での流れ:レポート→ライフサイクル→集客→ユーザー獲得
GA4 エンゲージメントの見方
クリックやスクロールなどのユーザーの行動に関するより詳細なエンゲージメントは下記の流れで分析できます。

GA4の画面上での流れ:レポート→ライフサイクル→エンゲージメント→概要
GA4 エンゲージメント→イベントの見方

エンゲージメント率の目安

何割のユーザーがサイトに関心をもったか分析する際はエンゲージメント率を見るとご説明しましたが、何%だったらいいのかという目安があると分析しやすいと思います。エンゲージメント率の目安は業界やサイトの目的、掲載コンテンツによって異なりますが、一般的なガイドラインとして以下のような基準があります。

・般的なウェブサイト: エンゲージメント率は40%〜60%
・ブログやコンテンツサイト: エンゲージメント率は50%〜70%
・Eコマースサイト: エンゲージメント率は30%〜50%

エンゲージメント率がこれらの基準を下回る場合、サイトの構造やコンテンツ、ユーザーエクスペリエンスの改善を検討する必要があります。

エンゲージメントを向上させるポイント

エンゲージメント率の目安と比較して、自社のサイトの数値が低い場合、サイト改修が必要です。サイトの種類や掲載内容によって対策は様々ですが、基本的には以下のポイントに注意することが重要です。

レイアウトを整理する

ユーザーがコンテンツに集中しやすくなることでエンゲージメントが向上します。そのため、ページ内の情報のレイアウトを整理することが効果的です。具体的には、重要な情報や人気のコンテンツなどの優先度順にコンテンツを配置する、情報が目に入りやすいよう余白をあけるといったレイアウトを整理することで、エンゲージメントの向上が期待できます。

サイトの読み込みスピードを速くする

読み込みが遅いサイトはユーザーの離脱率を高めます。表示が高速なサイトは、ユーザーの満足度を高め、エンゲージメントを促進します。具体的には、ページに掲載する画像のファイルサイズを適切にする。キャッシュの利用といった施策が効果的です。

デザインを整理する

レイアウトの整理とも共通するのですが、視覚的にわかりやすい・魅力的なデザインはエンゲージメントを向上させます。具体的には、メインビジュアルで動画やアニメーションを表示する、サイト全体で一貫性のあるデザイン、過度な装飾をなくす、重要な情報をデザインを強調させるといった施策が効果的です。

コンテンツの追加や見直しをする

レイアウトやデザインといった視覚的な要素だけでなく、そもそも掲載されている情報が魅力的かどうかによってエンゲージメントは大きく影響されます。独自の情報やユーザーの関心が高い情報、情報ボリュームの充実、によってユーザーの興味を引き、滞在時間を延ばします。

サイト内、ページ内の導線を整理する

情報が探しやすく、関連するページへ遷移しやすく導線が整理されたサイトはエンゲージメントが向上します。具体的には、サイト内の構成が整理されている、使いやすいナビゲーション、関連コンテンツへのリンクを配置、リンク・ボタンを目立たせるといった施策が効果的です。

ページをスマートフォン向けに最適化する

BtoC向けサイトに限らず、BtoB向けサイトでもスマートフォンでサイトを閲覧される割合が増えているため、スマートフォン向けにページを最適化することは、エンゲージメント向上において不可欠です。そのため、スマートフォンでも見やすいわかりやすいレイアウトやデザインにすることでエンゲージメントを向上させます。

まとめ

GA4のエンゲージメント指標は、ユーザー行動を詳細に把握し、サイトやアプリの改善に役立つ強力なツールです。まずは、「エンゲージメントのあったセッション」「エンゲージメント率」「平均エンゲージメント時間」といった3つの指標から分析してみましょう。そこで気になる数値がありましたら、次のステップとしてより詳細なエンゲージメント指標である「イベント」「ページとスクリーン」「ランディングページ」をチェックしてみてください。原因が特定できればサイトのどこを改修すればいいかの目途がたちますので、エンゲージメントを向上させるポイントに沿って改善施策をぜひ検討してください。
ブリッジコーポレーションでは、GA4の分析→課題抽出→改善提案→改修まで対応していますので、お気軽にご相談ください。

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