Webサイトのリニューアルや新規構築時、業者選定のためにコンペをした方が良いのか迷う方も多いのではないかと思います。コンペにはメリットとデメリットが存在しており、注意点をしっかりと押さえておかないと失敗に終わってしまう可能性もあります。

そこで本記事は、Web制作におけるコンペのメリットとデメリットから進め方、注意点まで解説いたします。これからWeb制作をお考えの方はぜひご一読ください。

また、以下の記事では、コンペを進める上で重要となるRFP(提案依頼書)の無料テンプレートがダウンロードできます。ぜひご活用ください。

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目次
1:コンペとは?
2:Web制作会社の選定でコンペをするメリット
-多くのアイデアを得ることができる
-社内と担当者での意見のズレを防ぐことができる
3:Web制作制作会社の選定でコンペをするデメリット
-労力と時間が必要になる
-1社あたりのコミュニケーションが少なくなる
4:Web制作のコンペの進め方
-スケジュールの作成
-RFP(提案依頼書)の作成
-Web制作会社のピックアップ
-参加業者への説明・質問対応
-提案を評価・業者決定
5:Web制作のコンペをする際の注意点
-デザイン・費用だけで業者決定してしまう
-参加業者が多すぎてしまう
-事前に社内で評価項目を決めていない
6:Web制作会社の選定基準の決め方
7:Web制作会社の選定にコンペは必要か?
8:まとめ
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1:コンペとは?

コンペとは競争などを意味するコンペティション(competition)の略です。Web制作においては、発注側が複数のWeb制作会社に対してコンペを行い、自社の要望に沿ったサイトを制作してくれる最適なWeb制作会社を選定するためのものです。

2:Web制作会社の選定でコンペをするメリット

ここからはWeb制作会社の選定でコンペを行うメリットをお伝えします。

多くのアイデアを得ることができる

コンペを行うことで、自社では思いつかなかったアイデアを多く募ることが出来ます。
Web制作会社はそれぞれ得意分野や強みが異なり、それらの要素が加えられた提案書が出てくることが期待されます。そのため、新たな視点や斬新な発想を持ったデザインやアイデアに出会うことができ、自社で持っているサイトのイメージや要望を再確認するとともに、新たな調整を加えることも可能となります。
例えば、社内ではデザインに重点を置く意見と、機能性に重きを置く意見で分かれていたが、コンペを通じてその二つのバランスが取れた提案が見つかり、社内全員が納得できる方向性が定まるというようなことも考えられます。
そのため、第三者からの新たな視点を多く得たいという場合は、コンペの開催が有効となります。

社内と担当者での意見のズレを防ぐことができる

担当者だけでなく社内で共通の選定基準を持ってコンペを行うことで、発注後の社内からの不満を防ぐことが可能となります。
コンペの過程では複数の提案が提示されるため、社内の関係者全員がプロジェクトの目標や要求を再確認する機会が増えます。これによって関係者全員が同じ方向性を理解し、認識のズレを減らすことができます。また、コンペでは提案内容や評価基準が明確になるため、業者選定のプロセスにおける透明性が高まり、後々のトラブルを防ぎやすくなります。

3:Web制作会社の選定でコンペをするデメリット

続いては、Web制作会社選定におけるコンペのデメリットをお伝えします。

労力と時間が必要になる

Web制作のコンペを実施する際には、かなりの労力と時間が必要になります。
コンペ開催までの準備から評価選定までいくつかのステップが存在します。そのため、時間や労力に余裕のある場合でないと、コンペを行うのは難しくなります。
具体的なコンペのステップについては、次の章で詳しくご説明します。

1社あたりのコミュニケーションが少なくなる

コンペを実施することで、各制作会社とのコミュニケーションの密度が低くなりがちです。
コンペでは複数の会社と同時にコミュニケーションを取るため、1社あたりに割ける時間が限られます。これによってプロジェクトの細かな要件の伝達や相互理解の不足が発生し、結果的に完成したWebサイトの品質低下を招く可能性があります。

4:Web制作のコンペの進め方

ここからはWeb制作における具体的なコンペの進め方をお伝えします。

スケジュールの作成

まずは、コンペを進める上での具体的なスケジュールを作成します。
前の章にも記載しましたが、コンペを行うには時間がかかるため、プロジェクトに遅れをとらないためにも各ステップごとにスケジュールを設定しておく必要があります。コンペに時間がかかってしまうと、実際のWeb制作にかけれる時間が減ってしまう恐れもあるため、しっかりと時間管理ができるように整えておきましょう。

RFP(提案依頼書)の作成

次にRFP(提案依頼書)の作成を行います。RFP(提案依頼書)はコンペの基盤を築くとても重要なステップです。詳細なRFP(提案依頼書)を作成することで、自社の要望とズレの少ない適切な提案を引き出すことに繋がります。

RFPの詳細な説明と、無料サンプルを以下の記事でご紹介しています。ぜひダウンロードしてご活用ください。

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Web制作会社のピックアップ

次に、コンペに参加するWeb制作会社をピックアップします。
Web制作会社をピックアップをする際は、信頼性や技術力がありそうな企業かという視点で考えると良いでしょう。信頼性については、これまでの制作実績を確認するとわかりやすいかと思います。また、実績については自社と同様の業界の実績が豊富であれば、事業理解などが早くコミュニケーションが取りやすくなります。
技術力については、制作会社のサービス領域などを確認するとわかりやすいかと思います。サーバやドメインなどのインフラ周りまで対応出来るか、Webマーケティングまで支援してくれるかなど、自社の要望と照らし合わせてピックアップすると良いでしょう。

参加業者への説明・質問対応

次に、参加企業にRFP(提案依頼書)を公開してコンペの説明を行います。
ここのステップで、RFP(提案依頼書)に沿ってしっかりと要望を伝えることが重要です。また、参加企業から質問を受け付けることで、より詳細な提案を受けることができます。全ての参加企業に対しての公平性と透明性を保ちながら、説明・質問対応をすることを意識しましょう。

提案を評価・業者決定

最後に、集まった提案を評価し、最適な業者を決定します。
ここのステップで重要なことは、客観的な評価基準で公平性を持って選定することです。いくつかの評価項目を事前に設定しておき、それらの項目に対してスコアを付けることで、提案の評価を数値化できます。それによって、主観的な偏りを減らし、公平な選定が可能となります。

5:Web制作のコンペをする際の注意点

次に、Web制作のコンペにおける注意点をお伝えします。これからコンペを考えている方は、参考にしてみてください。

デザイン・費用だけで業者決定してしまう

デザインや費用は可視化しやすい項目になるため、自然とこの二つに目が行き、選んでしまうことも少なくありません。
例えば、デザインが優れていてもその他の機能面やサポート体制が不十分な業者を選んでしまった場合、結果的にプロジェクトが失敗してしまうリスクが高まります。特にWebサイトはデザインだけでなく、ユーザビリティやセキュリティなど、様々な要素が重要です。
費用で選定した場合も上と同様に、あまり品質の良くないサイトが出来上がってしまうことが考えられます。また、サービスが不十分であるために機能の追加や改修を多く重ね、その追加費用がかかって、結果的に別の業者を選定した場合よりも費用がかさんでしまうこともあります。

参加業者が多すぎてしまう

コンペに参加する業者が多すぎると、評価や選定に多大な時間と労力がかかり、プロジェクト全体の進行が遅れる可能性があります。
また、多くの提案を評価することで時間と労力を要し、評価基準がブレるリスクがあったり、結果的に評価が雑になる可能性があります。さらに、参加業者が多すぎると1つの制作会社に取れる時間が少なくなり、そのコミュニケーション不足によって、要望通りの提案を受けられないことが考えられます。

事前に社内で評価項目を決めていない

事前に評価項目を明確に設定しておかないと、提案の評価が主観的になり、公平な選定が難しくなります。
評価基準が事前に明確であれば全ての提案を一貫して評価でき、公平性が保たれます。一貫性のある評価基準は、社内での意見の食い違いを防ぎ、トラブルを避けることにも繋がります。
もしも評価基準を設定しない場合、選定に時間がかかってプロジェクトの開始が遅れたり、社内からの不満が増加したりすることが考えられます。
そうしたことにならないよう、事前に社内で納得できる選定基準を設けておきましょう。

Web制作会社の選定基準の決め方については、次の章で詳しくご説明します。

6:Web制作会社の選定基準の決め方

これまでに述べたように、適切な基準を設定することで、プロジェクトでより良い結果を得られる可能性が高まります。以下に、選定基準を効果的に決めるための方法をいくつかご紹介します。

プロジェクトの特徴を理解

まず、自社のプロジェクトが他のプロジェクトとどう違うのかを明確にしましょう。たとえば、自社が提供するサービスが特定の業界に特化している場合、その業界について詳しい制作会社を選ぶことが有効となります。また、他社にはない特別な機能やデザインの要望がある場合、それを実現できる制作会社を探すことが大切です。

このように、プロジェクト独自の特徴をしっかりと理解し、それに対応できる制作会社を選ぶことで、より高い効果を得ることが可能となります。

必要なスキルの明確化

プロジェクトで必要となる特定のスキルや技術をリストアップします。これには、デザイン力や技術的な専門知識だけでなく、SEOやマーケティングに関する知識も含まれます。制作会社がこれらのスキルを持っているかどうかを確認することで、プロジェクトの成功率を高めることができます。

コミュニケーションの質

プロジェクトの円滑な進行には、制作会社とのコミュニケーションがとても重要です。そのため、選定基準の一つとして、コミュニケーションの質を評価することをお勧めします。ただし、単に話しやすさだけでなく、要件の理解度や提案の的確さも含めて評価しましょう。

長期的なパートナーシップの視点

Webサイトの構築は一度きりのプロジェクトではなく、運用や保守、さらには将来のリニューアルまで続くものです。そのため、短期的な成果だけでなく、長期的に信頼できるパートナーとしての資質も選定基準に含めると良いでしょう。長期的に協力関係を築けるかどうかを見極めることで、将来的な安定性を確保できます。

7:Web制作会社の選定にコンペは必要か?

Web制作会社の選定にコンペは必ずしも必要ではありませんが、プロジェクトの特性や目的に応じて有効な場合があります。コンペを実施するかどうかは、プロジェクトの規模や要件、リソースに基づいて判断するべきです。
そのため、コンペのメリットとデメリットをよく理解して、自社の状況と照らし合わせながらコンペ実施を検討する必要があります。

まとめ

Web制作時における業者選定のコンペについて、解説しましたがいかがでしたでしょうか。
コンペには事前準備と計画に沿った進行が重要となります。ただそのためには、社内外の多くの人とのコミュニケーションやWebへの基礎知識が必要となるため、担当者だけで進めるのは難しいかと思います。

そこで、ブリッジコーポレーションでは、RFP作成・コンペのサポートから可能となります。Web制作のプロと一緒にコンペを進めることで、より質の高い提案を参加業者から集めることが可能です。これからWeb制作をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

また、コンペに使用できるRFP(提案依頼書)の無料サンプルをご提供しておりますので、ぜひダウンロードしてご活用下さい。

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