【無料テンプレート】ホームページ制作RFPの書き方|14項目の例文つき

RFP(提案依頼書)とは、ホームページ制作を発注する企業が、制作会社から最適な提案を引き出すために、目的・課題・要件・予算・スケジュールをまとめて提示する文書です。ホームページ制作のRFPは、以下の14項目に整理して書くことで、専門知識がなくても作成できます。

この記事のポイント

  • RFP(提案依頼書)とは、ホームページ制作を発注する企業が、制作会社から最適な提案を引き出すために作成する文書です。
  • ホームページ制作のRFPに記載する項目は、大きく14項目に整理できます。本記事では各項目の書き方をコピーして使える例文つきで解説します。
  • 編集可能なRFPテンプレート(サンプル)を無料で配布しています。白紙から書き始める必要はありません。
  • 2026年のRFPでは、制作工程での生成AI利用の可否と、AI検索経由の露出をどう扱うかを明記しておくと、公開後の認識違いを防げます。
  • 創業30年・1,200社以上の支援実績をもつ制作会社の視点から、「提案しやすいRFP」と「提案に困るRFP」の違いもお伝えします。

目次

  1. RFP(提案依頼書)とは|ホームページ制作における役割
    1. RFPの定義
    2. ホームページ制作でRFPが必要とされる3つの理由
    3. RFPを共有する企業は約3割という実態
  2. RFPとRFI・RFQ・要件定義書の違い【比較表】
    1. 4つの文書の比較表
  3. ホームページ制作RFPテンプレート(無料ダウンロード)
    1. テンプレートの14項目構成
    2. テンプレートの使い方3ステップ
  4. RFP作成前に済ませておく4つの準備
  5. RFPの書き方|記載14項目と例文
  6. AI時代のRFP作成のコツ
    1. RFPの下書きに生成AIを使う3ステップ
    2. RFPに書いておきたいAI関連の3要件
    3. AIが書いたRFPが「刺さらない」理由
  7. 2026年版・あわせて追記したい2項目
  8. 制作会社が「提案しやすいRFP」と「困るRFP」
  9. RFP提出後の進め方と標準スケジュール
  10. よくある質問
  11. まとめ

ホームページ制作やリニューアルを外部に依頼するとき、RFP(提案依頼書)は、複数の制作会社から質の揃った提案を受け取るための設計図にあたる文書です。しかし実際に作成しようとすると、「何をどこまで書けばいいのか」「専門用語がわからず手が止まる」という壁にぶつかります。

本記事では、ホームページ制作を依頼する際のRFPの書き方を、記載すべき14項目それぞれの例文つきで解説します。あわせて、そのまま編集して使えるRFPテンプレート(サンプル)を無料でダウンロードいただけます。記事の後半では、制作会社が提案を受け取る側として感じている「良いRFP」と「困るRFP」の違いにも踏み込みます。

 

RFP(提案依頼書)とは|ホームページ制作における役割

RFPとは、ホームページ制作を発注する企業が、制作会社から最適な提案を引き出すために、目的・課題・要件・予算・スケジュールをまとめて提示する文書です。

RFPは「Request for Proposal」の略で、日本語では提案依頼書と訳されます。ホームページ制作やシステム開発の現場で、発注者が制作会社に対して提出する書面であり、プロジェクトの目的、自社が抱えている課題、課題解決のために求める機能などが記載されています。

RFPの定義

用語解説:RFP(提案依頼書)とは

RFP(提案依頼書)とは、発注を検討している企業が、委託先の候補となる企業に対して「実現したいこと」「解決したい課題」「制約条件」を提示し、具体的な提案と見積もりを依頼するための文書です。ホームページ制作、システム開発、業務委託など、要件が複雑で複数社を比較検討する場面で使われます。

RFPは契約書ではなく、あくまで提案を依頼するための資料です。記載内容が確定事項である必要はありません。むしろ「現時点で決まっていること」と「制作会社に提案してほしいこと」を切り分けて書くことが、良いRFPの条件です。わかりやすく言えば、RFPとは「どんなホームページを作りたいのかをまとめた書面」です。

ホームページ制作でRFPが必要とされる3つの理由

RFPがなくても提案を受けること自体は可能です。それでもRFPを作成する価値があるのは、次の3つの理由からです。

  1. 提案の質と粒度が揃う:同じ情報を各社に提示することで、スケジュール、予算、ゴール、機能といった前提条件が揃います。前提が揃っていない提案書を横並びで比較しても、判断材料になりません。
  2. 要望と提案のミスマッチを防げる:口頭のヒアリングだけでは「言った・言わない」が発生しやすく、発注者の意図が正確に伝わらないおそれがあります。文書化することで認識のズレを未然に防げます。
  3. 社内の課題整理そのものになる:RFPを書く過程で、自社の現状や優先順位を言語化することになります。結果として、社内の合意形成が進むという副次的な効果があります。

RFPを共有する企業は約3割という実態

当社にホームページ制作のお問い合わせをいただく企業のうち、事前にRFPをご共有いただくのはおよそ3割というのが実情です(当社調べ)。裏を返せば、残りの7割はRFPなしで提案依頼が進んでいます。

RFPがなくても提案は可能ですが、その場合はヒアリングの回数が増え、初回提案が的を外すリスクも高くなります。RFPを用意している企業のほうが、結果的にプロジェクトの立ち上がりが速い傾向があります。

RFPとRFI・RFQ・要件定義書の違い【比較表】

RFPは「提案を依頼する」文書、RFIは「情報を収集する」文書、RFQは「見積もりを依頼する」文書、要件定義書は「発注先が決まった後に仕様を確定させる」文書です。

RFPと混同されやすい文書がいくつかあります。それぞれ作成する目的とタイミングが異なるため、整理しておきましょう。

4つの文書の比較表

文書 正式名称 目的 作成タイミング 作成者
RFI Request for Information (情報提供依頼書) 各社の実績・対応範囲などの基本情報を収集し、候補を絞り込む 候補選定の前段階 発注者
RFP Request for Proposal (提案依頼書) 要件を提示し、具体的な提案と概算見積もりを受け取る 候補を絞り込んだ後 発注者
RFQ Request for Quotation (見積依頼書) 仕様が確定した内容について、価格を比較する 要件が固まった後 発注者
要件定義書 ー 決定した委託先と、実装する仕様を詳細に確定させる 発注先の決定後 発注者と制作会社の双方

ホームページ制作の場合、規模がそれほど大きくないプロジェクトではRFIを省略し、RFPから始めるケースが一般的です。一方、全社規模のサイトリニューアルや、基幹システムとの連携が発生する案件では、RFIで候補を5社程度に絞ってからRFPを提示すると、選定の負荷を抑えられます。

RFPと要件定義書の最大の違い

RFPは「委託先を選ぶため」に書く文書、要件定義書は「決まった委託先と作るため」に書く文書です。この2つを混同し、RFPの段階で細かすぎる仕様を確定させてしまうと、制作会社の提案の幅を狭めてしまいます。RFPでは「実現したいこと」を、要件定義書では「どう実装するか」を書く、と覚えてください。

ホームページ制作RFPテンプレート(無料ダウンロード)

RFPは白紙から書き始める必要はありません。テンプレートに沿って自社の情報を埋めていくのが、最も確実で早い作り方です。

RFPの作成でつまずく最大の原因は、「何から書けばいいのかわからない」という状態で白紙のドキュメントに向き合ってしまうことです。当社では、ホームページ制作の依頼に使えるRFPサンプルを作成し、無料で公開しています。編集可能なファイル形式のため、ダウンロードしてそのまま書き換えていただけます。

テンプレートの14項目構成

一般的なホームページ制作のRFPでは、以下の14項目を記載します。テンプレートもこの構成に沿っています。各項目の詳しい書き方と例文は、後述の「RFPの書き方|記載14項目と例文」で解説します。

# 項目 ひとことで言うと
① プロジェクト概要 なぜこのプロジェクトを行うのか
② 会社概要・事業内容 自社がどんな会社か
③ ターゲット・競合情報 誰に向けたサイトか
④ 現状の課題 いま何に困っているか
⑤ 本プロジェクトのゴール 何が達成できれば成功か
⑥ 機能要件 どんな機能が必要か
⑦ 提案に含んでほしいこと 提案書に何を書いてほしいか
⑧ ドメイン・サーバ・SSL インフラをどうするか
⑨ 予算 いくらまで出せるか
⑩ スケジュール いつ公開したいか
⑪ プロジェクト全体スケジュール 全体の進行イメージ
⑫ 業者選定スケジュール いつまでに決めるか
⑬ 提出物 何を出してほしいか
⑭ 提出先と提出期限 どこにいつまでに送るか

RFPサンプルを無料でダウンロードする

テンプレートの使い方3ステップ

  1. ダウンロードして全体を眺める:まず14項目にどんなことを書くのかを把握します。この段階では埋めなくて構いません。
  2. 埋められる項目から書く:会社概要、現状の課題、公開希望時期など、すでに社内で決まっていることから埋めていきます。
  3. 空欄は「未定」と明記する:埋まらない項目を空欄のままにせず、「未定のため提案を希望」と書きます。空欄と「提案希望」では、制作会社の受け取り方がまったく違います。

RFP作成前に済ませておく4つの準備

RFPの質は、書き始める前の準備でほぼ決まります。現状整理、社内合意、運用体制、選定基準の4つを先に固めてください。

準備をせずに書き始めると、途中で手が止まったり、他部署から後出しで要望が出て手戻りしたりします。以下の4つを先に済ませておきましょう。

①自社の現状整理を精緻に行う

現在のホームページのアクセス数、問い合わせ件数、更新体制、使用しているCMS、既存サイトのページ数などを洗い出してください。現状が数値で把握できていると、ゴール設定も具体的になります。

用語解説:CMSとは

CMS(Contents Management System)とは、HTMLの知識がなくてもWebサイトのページを作成・更新できるようにするシステムのことです。代表的なものにWordPressがあります。既存サイトでCMSを使っている場合は、その名称とバージョンをRFPに記載しておくと、移行工数の見積もり精度が上がります。

②社内関係部門と内容を調整する

担当者と関係部署のあいだに認識のズレがある状態でRFPを作ると、制作が進んでから大幅な修正が発生します。特に有効なのが、顧客と直接やり取りしている営業担当へのヒアリングです。製品サイトであれば、製品を設計している技術者にも話を聞くことで、技術力や製品の魅力を的確に伝えられる構成になります。

③ホームページ公開後の運用設計を行う

リニューアルで陥りやすいのが、「サイトを完成させること」の目的化です。公開後に誰が何人で更新するのか、月あたりどれくらいの時間を割けるのか、運用費はいくらか。ここが曖昧だと、更新されないサイトができあがります。

④ホームページ制作会社の選定基準を決める

提案を受け取ってから基準を考え始めると、社内で意見がまとまらず選定が長引きます。RFPを作る前に、自社が何を重視するのかをすり合わせておきましょう。

  • 価格重視:予算内に収めることを最優先する
  • コミュニケーション重視:担当者との相性や、レスポンスの速さを重視する
  • 企画・コンテンツ重視:提案の中身、コンテンツの企画力を重視する
  • 納期重視:指定した公開日を守れることを最優先する
  • 運用・保守重視:公開後の継続的な支援体制を重視する

すべてを満たす提案は現実的にはありません。優先順位をつけておくことが、迷わない選定につながります。

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本記事で解説している14項目をそのまま収録した、編集可能なRFPサンプルです。自社の情報に書き換えるだけでRFPが完成します。システム開発の依頼にも応用いただけます。

記載14項目をすべて収録
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新規構築・リニューアルの両方に対応


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RFPの書き方|記載14項目と例文

各項目は「決まっていること」と「提案してほしいこと」を分けて書くのが原則です。以下の例文は、自社の情報に置き換えてそのままお使いいただけます。

ここからは14項目それぞれについて、書くべき内容と、コピーして使える例文を紹介します。RFPサンプルを開きながら読み進めていただくと、より理解しやすくなります。

①プロジェクト概要

プロジェクトの目的や背景を理解してもらうことで、要望と提案のズレを防げます。ここが薄いと、以降の項目をいくら詳しく書いても提案は表面的なものになります。

例文

当社は創業以来、営業担当による対面訪問を中心に新規顧客を獲得してきました。しかし近年、購買検討の初期段階でWeb上の情報収集が行われるケースが増え、既存サイトが商談の入口として機能していない状況です。本プロジェクトでは、コーポレートサイトを全面リニューアルし、Web経由での問い合わせ獲得を目的とした情報設計へ刷新することを目指します。

②会社概要・事業内容

正式な社名、拠点所在地、従業員数、事業内容、ビジネスモデル、主要な取引先の業種などを記載します。BtoBかBtoCか、商流はどうなっているかは、サイト設計に直結する情報です。

例文

社名:株式会社〇〇/設立:〇〇年/従業員数:〇〇名/本社:〇〇県〇〇市/事業内容:産業用〇〇装置の設計・製造・販売。売上構成はBtoBが約9割で、代理店経由が7割、直接取引が3割です。主要顧客は自動車部品メーカー、食品メーカーなどの製造業です。

③ターゲット・競合情報

ターゲットが明確になると、サイト上でそのユーザーにどう行動してほしいかが定まります。ペルソナが社内で定義されているならそのまま記載してください。あわせて競合と認識している企業のサイトURLを2〜3社挙げておくと、比較の観点が伝わります。

例文

メインターゲット:製造業の生産技術部門の担当者(30〜50代)。設備更新の検討にあたり、複数メーカーの仕様を比較している段階の方を想定しています。サブターゲット:新卒・中途の採用応募者。競合として認識しているのは〇〇社(URL:〜)、〇〇社(URL:〜)です。両社と比較して、当社は導入後のサポート体制に強みがあると考えています。

④現状の課題

重要なのは、サイトの見た目や操作性といった目に見える部分だけでなく、その先にある事業や組織の課題まで言及することです。最終的に何を解決したいのかによって、とるべき対策が変わります。

例文

(サイトの課題)スマートフォン対応がされておらず、モバイルからの直帰率が約〇〇%と高い状態です。製品情報がPDFのみで掲載されており、検索エンジンから流入していません。更新に外部委託が必要で、情報が最新化されていません。(事業上の課題)Web経由の問い合わせが月〇件にとどまり、営業の新規開拓が個人の活動量に依存しています。

⑤本プロジェクトのゴール

前項の課題を、リニューアルによってどう解決したいのかを記載します。「問い合わせ獲得」「ブランディング向上」「採用強化」など目的は多様ですが、可能な限り定量的な数値目標(KPI)を添えてください。数値があると、制作会社は施策の優先順位を判断できます。

例文

公開1年後に、Web経由の問い合わせ件数を月〇件から月〇件へ増加させることを目標とします。あわせて、製品カテゴリ〇〇に関する検索流入を現在の月〇セッションから〇セッションへ引き上げます。また、社内担当者だけで製品情報を更新できる状態にし、外部委託の運用費を年間〇円削減します。

⑥機能要件

ECサイトであればポイント付与、会員登録、データベース連携など、必要な機能を漏れなく挙げてください。機能要件は提案金額とスケジュールに最も大きく影響します。コツは「必須」と「あれば望ましい」を分けて書くことです。すべてを必須にすると、予算内に収まらず提案が画一的になります。

例文

【必須】CMSによる更新機能(お知らせ、製品情報、導入事例)/問い合わせフォーム(自動返信あり)/サイト内検索/スマートフォン対応(レスポンシブ)/SSL対応。【あれば望ましい】製品スペックの絞り込み検索/英語版の多言語対応/資料ダウンロードのフォーム連携/MAツール(〇〇)との連携。

⑦提案に含んでいただきたいこと

この項目の内容が提案のアウトプットを大きく左右します。制作体制、工数、スケジュール、担当者の経歴など、選定に必要な項目を具体的に列挙してください。

例文

提案書には以下を含めてください。(1)現状サイトの課題分析、(2)リニューアル方針とサイトマップ案、(3)トップページのデザイン方向性(ラフレベルで可)、(4)想定する制作体制と担当者の経歴、(5)詳細な工数内訳と概算見積もり、(6)公開までのスケジュール、(7)公開後の運用・保守メニューと費用、(8)同業種での制作実績。

⑧ドメイン・サーバ・SSL

自社で用意したものを使うのか、制作会社に用意してもらうのかを明記します。用意を依頼する場合は想定スペックや月額費用の上限も書いておくと、見積もりのブレが減ります。

例文

ドメイン:既存ドメイン(example.co.jp)を継続使用します。サーバー:現在は〇〇社の共用サーバーを利用していますが、移設を含めてご提案ください。想定月額は〇円以内です。SSL:常時SSL化を必須とします。証明書の取得・更新の運用方法もあわせてご提案ください。

⑨予算

予算によって提案内容は大きく変わるため、わかる範囲で必ず記載してください。「予算を書くと上限いっぱいで見積もられる」と懸念される方もいますが、予算が不明なままだと、各社の提案が価格帯もスコープもバラバラになり、比較そのものが成立しなくなります。

また、提示した予算が絶対でない場合は、その旨を添えておくと選択肢が広がります。予算超過となる提案をする際は理由を明記してもらうよう指定しておけば、「予算は超えるが投資対効果の高い案」を受け取れる可能性を残せます。

例文

初期制作費として〇〇万円〜〇〇万円(税別)を想定しています。公開後の運用・保守費は月額〇万円程度を上限として別途計上予定です。なお、この予算は目安です。予算を超過するご提案をいただく場合は、超過する理由と、それによって得られる効果を提案書に明記してください。

⑩スケジュール

いつ頃の公開を見込んでいるのかを明示します。展示会や周年、新製品の発売など、公開日が動かせない理由がある場合は必ず書き添えてください。

例文

〇〇年〇月〇日の公開を希望します。同月に開催される展示会〇〇に合わせた公開を予定しているため、この日程は変更が難しい状況です。段階的な公開(第一弾で企業情報、第二弾で製品情報)でも対応可能です。

⑪プロジェクト全体スケジュール

質疑応答の期間、提案プレゼンの日程、その後の進行を記載します。制作会社はこの情報をもとに社内リソースを確保します。

例文

〇月〇日:RFP配布/〇月〇日:質疑応答の締切(メールにて受付)/〇月〇日:質疑への回答を全社へ一斉送付/〇月〇日:提案書提出期限/〇月〇日〜〇日:提案プレゼン(1社60分)/〇月〇日:選定結果のご連絡/〇月中旬:契約締結・キックオフ

⑫業者選定スケジュール

どのような手順・基準で制作会社を選定するのかを記載します。評価の観点と配点を開示するかどうかは企業によりますが、少なくとも「何を重視するか」は伝えておくと、提案の焦点が合います。

例文

提案内容(40%)、費用(25%)、制作体制と実績(20%)、公開後の運用支援(15%)の観点で評価します。評価は当社のWeb担当部門、営業部門、情報システム部門の計〇名で行い、〇月〇日までに決定します。

⑬提出物

提案書、見積書、会社案内、デザイン案(ワイヤーフレーム)など、必要なものを具体的に指定します。ファイル形式やページ数の上限を指定しておくと、比較の手間が減ります。

用語解説:ワイヤーフレームとは

ワイヤーフレームとは、Webページのどこに何を配置するかを、色や装飾を省いた線と枠だけで示した設計図のことです。デザイン制作に入る前の段階で、情報の並び順やページ構成を関係者間で確認するために使われます。

例文

(1)提案書(PDF形式・30ページ以内)、(2)お見積書(PDF形式・項目ごとの内訳を明記)、(3)会社概要および制作実績(3件以上)、(4)トップページのデザイン方向性がわかる資料。データはメールにてご提出ください。1通あたり10MBを超える場合はファイル転送サービスをご利用ください。

⑭提出先と提出期限

担当者名、部署、メールアドレス、電話番号を記載し、質疑応答の窓口も同時に示しておくとやり取りがスムーズになります。

例文

提出期限:〇〇年〇月〇日(〇)17:00必着。提出先:株式会社〇〇 〇〇部 〇〇宛(メール:〜)。本RFPに関するご質問は、〇月〇日17:00までに同アドレスへメールにてお寄せください。いただいたご質問と回答は、公平性を期すため提案依頼先全社へ共有いたします。

AI時代のRFP作成のコツ

生成AIはRFPの「たたき台づくり」には有効ですが、提案の質を分けるのは自社にしかない一次情報です。あわせて、AIに関する要件をRFP側にも明記しておきましょう。

RFPの作成そのものに生成AIを使う企業が増えています。同時に、発注するホームページ側にもAIをめぐる論点が生まれました。この章では「AIを使ってRFPを書く」と「AIに関する要件をRFPに書く」の2つの側面を整理します。

RFPの下書きに生成AIを使う3ステップ

白紙から書き始める負担を減らす用途として、生成AIは有効です。ただし、いきなり「RFPを書いて」と依頼しても、どの会社にも当てはまる一般論しか返ってきません。次の順番で使ってください。

  1. 自社の情報を先に渡す:事業内容、現在のサイトの課題、公開希望時期、予算感、ターゲットを箇条書きで入力します。この材料の量が、そのまま出力の質になります。
  2. 項目ごとに書かせる:RFP全体を一度に書かせるのではなく、「現状の課題」「プロジェクトのゴール」など項目単位で生成し、本記事の例文と見比べながら整えます。
  3. 数値と固有名詞を人が入れる:アクセス数、問い合わせ件数、競合企業名、社内の決裁フローといった具体情報はAIが持っていません。ここは必ず担当者が埋めてください。

入力してよい情報の線引きを先に決める

RFPには未公開の事業計画、売上、組織図といった非公開情報が含まれます。生成AIに入力する前に、社内で利用可能なツールと入力してよい情報の範囲を確認してください。法人向けプランでは入力内容を学習に使わない設定が用意されている場合が多いため、設定状況もあわせてご確認ください。

RFPに書いておきたいAI関連の3要件

発注する側として、AIに関する方針をRFPに書いておくと、提案の前提が揃い、公開後の認識違いも防げます。

①制作工程での生成AI利用の可否

制作工程で生成AIを使ってよいかどうかは、企業によって方針が分かれます。文章の下書き、画像の生成、コードの補助など、どこまで許容するのかを示しておくと、納品後に「この画像はAI生成か」という確認が発生せずに済みます。

例文

制作工程における生成AIの利用について、文章の下書き作成およびコーディング補助での利用は可とします。ただし、掲載する写真・イラストについては生成AIによる作成を不可とし、撮影またはストックフォトの使用を前提としてください。AI利用がある場合は、該当箇所を納品時にご報告ください。

②AI検索での露出・流入をどう扱うか

ユーザーが検索エンジンではなく生成AIに質問して情報を得る場面が増えています。この流れを受けて、Googleは2026年6月3日にSearch Consoleへ「検索の生成AIのパフォーマンスレポート」を導入し、検索とDiscoverそれぞれについて、生成AI機能におけるサイトの可視性を確認できるようにしました。またGA4では2026年5月に、デフォルトチャネルグループへ「AI Assistant」が追加され、ChatGPTやGeminiなどの生成AI経由の流入が自動的に分類されるようになっています。

※出典:Google Search Central Blog「Search Console に検索の生成 AI のパフォーマンス レポートを導入」(2026年6月3日)https://developers.google.com/search/blog/2026/06/gen-ai-performance-reports

つまり、AI経由の露出と流入を「測れる」環境が整いはじめています。RFPの段階で計測要件として明記しておけば、公開後に設定し直す手間がなくなります。

例文

公開時に、GA4およびGoogle Search Consoleの初期設定をお願いします。GA4では「AI Assistant」チャネルを含むチャネル別のセッション数と問い合わせ件数を、管理画面上で確認できる状態にしてください。あわせて、生成AIに参照されやすい構造(構造化データの実装、FAQの整備、用語定義の明記)についても、ご提案に含めていただけますと幸いです。

用語解説:llms.txtとは

llms.txtとは、サイトの概要や重要ページを大規模言語モデル(LLM)に伝えるために、サイトのルートへ設置するテキストファイルのことです。ただしGoogleは、検索(生成AI機能を含む)に表示されるためにllms.txtなどの特殊なファイルを設置する必要はなく、Google検索自体はこれらを使用していないとしています。AI検索での引用を目的にRFPの必須要件として指定する必要は、現時点ではありません。

③サイトにAI機能を実装するか

問い合わせ対応の負荷軽減を目的に、AIチャットボットやサイト内AI検索の導入を検討する企業も増えています。導入する場合は、回答の元になるデータをどう用意するか、誤回答が出た際の運用をどうするかまで含めて提案を求めてください。機能要件(項目⑥)に含めて記載します。

AIが書いたRFPが「刺さらない」理由

提案を受け取る側として率直にお伝えすると、生成AIでそのまま作成されたRFPは判別がつきます。項目は整っているのに、書かれている課題が「認知度が低い」「サイトが古い」といった一般論にとどまり、その企業ならではの事情が読み取れないためです。

制作会社が提案を組み立てる際に手がかりにするのは、次のような情報です。いずれもAIには生成できません。

  • 現在のアクセス数と問い合わせ件数の実数
  • 営業現場で実際に聞かれる質問、失注の理由
  • 過去のリニューアルで何がうまくいかなかったか
  • 社内の誰が何を懸念しているか

生成AIは体裁を整える道具として使い、中身は自社の一次情報で埋める。この役割分担が、AI時代のRFP作成における最大のコツです。

2026年版・あわせて追記したい2項目

AIに関する要件に加えて、アクセシビリティとセキュリティの2点も、いまのRFPに書いておく価値が高まっています。

従来のテンプレートには含まれていないものの、記載しておくと後のトラブルを防げる項目を2つ紹介します。

①Webアクセシビリティへの対応

2024年4月に施行された改正障害者差別解消法により、民間事業者にも合理的配慮の提供が義務づけられました。Webサイトそのものへの対応が直ちに義務化されたわけではありませんが、官公庁や大学、医療機関の案件を中心に、アクセシビリティ対応を要件に含めるケースが増えています。

用語解説:JIS X 8341-3とは

JIS X 8341-3とは、高齢者や障害のある方を含む誰もがWebコンテンツを利用できるようにするための日本工業規格です。適合レベルはA、AA、AAAの3段階があり、公共機関のサイトではAA準拠が目標とされることが一般的です。

例文

JIS X 8341-3:2016の適合レベルAAへの準拠を目指します。全ページでの完全準拠が難しい場合は、優先度の高いページ群を指定したうえでの段階的な対応をご提案ください。試験結果と、公開後の運用でアクセシビリティを維持するためのガイドラインの提供も提案に含めてください。

②セキュリティ・保守の要件

WordPressをはじめとするCMSは、プラグインやコア本体の脆弱性を突いた不正アクセスの標的になります。公開して終わりではなく、誰がいつアップデートを行うのかを、RFPの段階で明確にしておいてください。

例文

CMSおよびプラグインのアップデート対応、定期バックアップ、脆弱性発生時の緊急対応について、月額保守メニューとして提案に含めてください。あわせて、障害発生時の連絡体制と、一次回答までの目安時間を明記してください。

制作会社が「提案しやすいRFP」と「困るRFP」

提案の質が上がるRFPには共通点があります。それは「情報量が多いこと」ではなく、「判断の軸が示されていること」です。

ここからは、提案を受け取る制作会社側の視点でお伝えします。当社は創業から30年、1,200社以上のお客様のWebサイト構築をご支援してきました。その中で受け取ってきたRFPには、明確な傾向があります。

提案の質が上がるRFPの共通点

  • 優先順位が書いてある:要望が10個並んでいても、そのうち何が最優先かが書かれていれば、予算内で最大の効果を出す構成を提案できます。
  • 「決まっていること」と「相談したいこと」が分かれている:すべてが確定事項として書かれていると、提案の余地がなくなります。逆に「ここは提案してほしい」と書かれていれば、各社の腕の見せどころになります。
  • 現状の数値がある:現在のアクセス数、問い合わせ件数、更新頻度といった実数があると、改善提案が具体的になります。
  • 社内の意思決定プロセスが見える:誰が決裁者で、どの部署が関わるのかがわかると、提案の伝え方を設計できます。

よくある3つのつまずき

  1. 予算欄が空白:最も多いケースです。予算がわからないと、各社が想定する規模がバラバラになり、100万円の提案と800万円の提案が並ぶことになります。これでは比較できません。幅を持たせた記載で構わないので、必ず書いてください。
  2. 要望をすべて「必須」にしてしまう:機能要件が20項目すべて必須になっていると、どの会社も同じような最大構成の見積もりを出すしかなくなります。結果として金額だけの勝負になり、企画の差が見えません。
  3. スケジュールが逆算されていない:「3か月後に公開したい」と書かれていても、社内の確認フローに何日必要かが考慮されていないケースがあります。デザインや原稿の確認には、想像以上に時間がかかります。社内確認の期間も含めて逆算してください。

完璧なRFPを目指す必要はありません

RFPは提案を引き出すための資料であり、提出時点で完成している必要はありません。埋まらない項目があっても、「この点は判断がつかないため提案を希望します」と書いてあれば、制作会社はそれに応えます。書けないことを理由に着手が遅れるほうが、プロジェクトにとっては損失です。

RFP提出後の進め方と標準スケジュール

RFPを配布してから制作会社を決定するまでは、おおむね1〜2か月を見込んでおくと無理がありません。

提案を受け取り、比較し、決定するまでの流れを設計しておくと、選定がスムーズに進みます。

  1. RFPの配布(1日):候補各社へ同じタイミングで送付します。3〜5社程度が一般的です。多すぎると比較の負荷が上がります。
  2. 質疑応答期間(1週間程度):各社からの質問を受け付けます。回答は全社へ一斉共有すると公平性が保てます。
  3. 提案書の作成期間(2〜3週間):ここを1週間などに短縮すると、提案の質が下がります。制作会社が調査と企画に充てられる時間を確保してください。
  4. 提案プレゼン(1〜2日):1社あたり60分程度が目安です。可能であれば、実際にプロジェクトを担当するディレクターに同席してもらうよう依頼してください。
  5. 社内評価・決定(1〜2週間):事前に決めた選定基準に沿って評価します。
  6. 契約・キックオフ

公開希望日から逆算する場合は、この選定期間に加えて、要件定義・設計・制作・検証の期間が必要になります。サイトの規模にもよりますが、コーポレートサイトのリニューアルであれば、RFP配布から公開まで6か月程度をみておくと余裕をもって進行できます。

プロジェクトの目的や優先順位を整理する段階で迷われている場合は、「ホームページリニューアル前に考えるべき5W2H」もあわせてご覧ください。RFPを書く前の思考整理に役立ちます。

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ブリッジコーポレーションでは、ホームページの新規構築・リニューアルをご検討中の企業様を対象に、プロジェクトの進め方や要件整理に関するご相談を無料で承っています。RFPが未完成の段階でもお気軽にご相談ください。

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よくある質問

Q. RFPは必ず作成しなければいけませんか?

A. 必須ではありません。RFPがなくても制作会社からの提案を受けることは可能です。実際、当社にお問い合わせいただく企業のうち、事前にRFPをご共有いただくのは約3割です。ただし、複数社を比較検討する場合は、提案の前提条件を揃えるためにRFPを用意することを推奨します。

Q. RFPの作成にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. テンプレートを使う場合、実際に書く作業自体は数日程度です。ただし、社内の課題整理や関係部署との調整に時間がかかるため、着手から完成までは2〜4週間程度をみておくと安心です。関係部署が多い場合はさらに余裕をもったスケジュールを組んでください。

Q. RFPと要件定義書の違いは何ですか?

A. RFPは委託先を選定するために作成する文書、要件定義書は決定した委託先とともに実装内容を確定させる文書です。作成するタイミングが異なり、要件定義書のほうが記載内容は詳細になります。RFPの段階で仕様を固めすぎると、制作会社の提案の幅を狭めてしまう点に注意してください。

Q. 予算はRFPに書くべきですか?書くと上限まで見積もられませんか?

A. 書くことを強く推奨します。予算が示されていないと、各社が想定する規模がばらつき、提案の比較が成立しなくなるためです。上限を懸念される場合は、幅を持たせた記載にしたうえで「予算超過となる提案の場合は理由を明記してください」と添えておくと、費用対効果の高い提案を受け取れる余地を残せます。

Q. RFPの作成に生成AIを使ってもよいですか?

A. 下書きの作成には有効です。ただし、自社の情報を先に入力したうえで項目ごとに生成し、アクセス数や競合企業名などの具体情報は担当者が加筆してください。AIが生成した一般論だけのRFPでは、制作会社からも一般論の提案しか返ってきません。なお、RFPには非公開の事業情報が含まれるため、入力前に社内の利用ルールと学習利用の設定をご確認ください。

Q. RFPにAI検索対策の要件は入れるべきですか?

A. 計測できる状態にすることを要件に入れておくことをおすすめします。2026年5月にGA4へ「AI Assistant」チャネルが追加され、6月にはSearch Consoleへ検索の生成AIのパフォーマンスレポートが導入されました。まずはAI経由の露出と流入を把握できる環境を整えたうえで、構造化データの実装やFAQの整備といった施策を提案に含めてもらう形が現実的です。

Q. ITの専門知識がなくてもRFPは作成できますか?

A. 作成できます。RFPで求められるのは技術的な仕様ではなく、「何を実現したいか」「何に困っているか」という事業側の情報です。技術的な実現方法は制作会社が提案する領域なので、専門用語を使う必要はありません。わからない項目は「未定のため提案を希望」と記載してください。

Q. RFPのテンプレートはシステム開発にも使えますか?

A. 応用いただけます。当社が配布しているRFPサンプルはホームページ制作を前提とした構成ですが、機能要件やインフラ要件の記載欄はシステム開発にもそのまま適用できます。業務システムの場合は、既存システムとの連携要件やデータ移行に関する項目を追記してご活用ください。

まとめ

ホームページ制作のRFP(提案依頼書)は、質の高い提案を受け取るために欠かせない文書です。適切なRFPを用意することで、複数の制作会社の提案を同じ土俵で評価できるようになり、サイトに求める内容が明確化され、後の認識違いによるトラブルも防げます。作成の過程そのものが、社内の課題を洗い出す機会にもなります。

  • RFPは14項目に整理して書けば、専門知識がなくても作成できる
  • 「決まっていること」と「提案してほしいこと」を分けて書くのが最大のコツ
  • 予算欄は必ず埋める。空白にすると提案の比較が成立しない
  • 生成AIは下書きに使い、数値と固有名詞は自社の一次情報で埋める
  • 完璧を目指さず、未定の項目は「提案を希望」と明記して前に進める

まずはテンプレートをダウンロードし、埋められる項目から書き始めてみてください。手を動かすうちに、自社が本当に解決したい課題が輪郭を持ちはじめます。

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