今回の記事では、2017年のBtoC-EC戦略を練る上で重要になってくるデータをご紹介します。
2013年~2015年にかけてのBtoC-EC市場規模の推移は?
2015年のBtoC-EC市場は13.8兆円と発表されています。13年の11.6兆円、14年12.7兆円から年々増加傾向にあることが分かります。
2015年に市場規模が拡大した分野 TOP3
分野別からBtoC-EC市場規模を見てみると、表のとおり1位は物販分野、2位はサービス分野、3位はデジタル分野となっています。
「サービス分野」の著しい成長
特に注目したいのが、前年比9.4%の伸び率を記録したサービス分野です。サービス分野を詳しく見てみると下記のサービスが対象となっています。
・旅行サービス
・飲食サービス
・チケット販売
・金融サービス
・理美容サービス
・その他
(医療・保険・住居関連・教育等)
「飲食サービス」がもっとも成長
上記の項目のうち、14年と比較して、もっともEC取引市場規模を増やしたものは、「飲食サービス」で、なんと前年比34.9%増の2,379億円でした。
ここで言う、「飲食サービスにおけるBtoC-EC取引」とは、インターネットから飲食店を予約することを指します。市場規模大きくなった要因としては、グルメサイトの認知度拡大と、それに伴うインターネットからの予約可能店が増えたことなどがあげられます。
スマホ経由の取引率
2015年のBtoC-EC市場による、スマホ経由取引市場規模はなんと、1兆9,862億円で、その額はBtoC-EC取引市場全体のおよそ、27.4%にも及んでいることが分かります。
(※既に30%に達成しているのではないか、とも予想されています。)
世代別スマホ経由取引率
まず、BtoC-EC市場取引における世代別スマホ経由率を見てみると、20代が87.5%と他世代と比べても圧倒的な数字をたたき出しています。
世代別消費支出額からみてみると・・・・
しかし一方で、総務省統計局※によると世代別消費支出から、1ヶ月の消費支出額は、
50歳代が295,306円、20代は183,483円と、50歳代の方が多くの消費支出が行っていることが明らかになっています。
よって今後は、中・高年齢層へのスマホからの購買対策と、若年層への更なる購買施策
の両方がEC取引における購買施策のカギになってくることが分かります。
※2016 年 2 月 16 日公表の 2015 年家計調査における総世帯ベースの数値
補足
40代・50代・60代に関するスマホ事情について、
「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 調査趣旨・概要 1」より、参考データを紹介いたします。
そもそものスマホ利用率を調査してみると、若年層世代に比べて、中・高年齢層のスマホ利用率は若年層世代に比べて、やや低いことが分かります。
いずれの世代もSNS利用率が非常に高いことが分かりますね~
60代でも70%の割合でSNSを使用していることが分かります。
いずれの世代もLINEとFacebookがSNS使用サービス上位を独占していることが分かります。しかし、LINEの普及率は想像以上です。
少なくともこのアンケート調査からは、50代女性の休日のSNS利用率が突出して高いことが分かります。この125.6分という時間は、他世代と比較したとき、10代女性の164.4%に次ぐ利用時間となります。先ほど記載した、50代の消費支出額からみてもこのデータはヒントを与えてくれそうですね!
まとめ
BtoC-EC市場について、ここまで分かったことをまとめてみます。
分野について
BtoC-EC市場取引における上位3つの分野(伸び率)は下記のとおりです。
・物販分野 (6.4%)
・サービス分野 (9.37%)
・デジタル分野 (8.09%)
サービス分野の中でもっとも高い伸び率を見せたのは「飲食サービス」で、前年比33.4%増の2,379億円を記録しています。
スマホについて
・BtoC-EC取引市場規模におけるスマホ経由率は、1兆9,862億円でEC取引規模全体のおよそ27.4%を占めるところまできており、世代別取引率では20代が87.5%と最も高いです。
・しかし、1ヶ月の消費支出の観点から見てみると、20代は183,483円で、50代が295,306円であり、スマホからの購買施策としては、若年層世代だけではなく、中・高年齢層へのアプローチも重要になります。
中・高年層スマホ・SNS利用状況について
・中・高年齢層のスマホ利用率をみてみると、若年層世代に比べて利用率そのものは低い数値となっています。
・しかし、スマホ利用ユーザーのうち、SNSの利用率としては40代・50代・60代ともに、高いSNS利用率であることが分かりました。
・使用しているSNSサービスとしては、40代・50代・60代それぞれの世代で、LINEが最も使用されています。
・休日にSNSを利用する時間は50代の女性が約125分と非常に多くの時間をSNSサービスを利用するための時間に当てていることが分かりました。
お問い合わせ引用元
平成 27 年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)
http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160614001/20160614001-2.pdf
1、24、28、29、30、42、43ページ平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 調査趣旨・概要
http://www.soumu.go.jp/main_content/000357569.pdf
3、5、6、8ページ