現地時間8日から始まったアメリカ大統領選挙。

第45代アメリカ大統領に選出されたのは、ドナルド・トランプ氏でした。今回の記事では、これまでのヒラリー・トランプ両候補者の選挙戦における激戦をまとめてみました。

ヒラリー・トランプ両候補者ってどんな政策を掲げていたの?

両候補者が掲げる主要な分野における政策を比べてみたいと思います。

ヒラリー候補が掲げた政策と懸念点

プレゼンテーション3
特筆すべき政策は、最低賃金の引き上げや処方薬価格の引き下げなど、
中産階級や貧困層に対して寄り添った政策を打ち出していました。
懸念点
一方懸念点として挙げられていたこといえば、私用メール問題ありました。
私用メール問題とは、彼女が国務長官を務めていたときに、私的なメールアドレス及びサーバーを使用していた問題。これはアメリカが定める、連邦記録法に違反するものであり、国の重要機密の保護に大きな影響を与えかねないと、多くの国民から懸念を抱かれていました。

そして、更なる懸念点としては、彼女自身の健康問題もありました。
今年で15年目を迎えるアメリカ同時多発テロでの追悼式典を途中退席する様子をとらえた動画が話題を呼んだのですが、過去にも病気に掛かったことがあることから、当選しても任期を全うすることができるのか、こちらも多くの国民が不安を感じていました。

トランプ候補が掲げた政策と懸念点

スライド2
特筆すべき政策はやはり、アメリカ第一主義を掲げている点ではないでしょうか。経済、移民、貿易などなど、アメリカの国益を最優先にした政治が展開されることが予想されます。

懸念点
一方懸念点としは、彼の人格が挙げられます。日本でも彼の政策よりも、強気な発言やスキャンダルの方が多く取り上げられているように、大統領にふさわしくない言動が多々見られます。世界の中でも特に強い発言権を持つアメリカの大統領として、果たして本当に適した人格なのか、多くの国民が疑問に感じています。

公開討論では何が語られたのか?

ヒラリー氏・トランプ氏両候補者は計3回の公開討論において、互いの政策、主張に対して議論を繰り広げています。

それぞれの討論会で何が語られたのか振り返ってみたいと思います。

第1回公開討論

9月26日に両候補者による、第1回公開討論。世界中が注目したこの討論会で主に話し合われた項目と内容は、以下の通りです。
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ポイント
初めての公開討論は、両者とも一歩も譲らない展開を繰り広げました。互いに自身の政策を主張しあう中で違いが鮮明になった議題は税制についてです。
ヒラリー氏は富裕層への課税から、トランプ氏富裕層への減税から投資を生み出し、そこから新たな雇用を創出していく政策を掲げています。どちらも富裕層や経営層らが溜め込んでいる潤沢な資金から、投資や雇用の創出を目指していく方向であることには間違いないのですが、それぞれ課税・減税と異なっている手法から成し遂げようとしている点が大きく異なることが分かります。

また、テロ対策においては、ヒラリー氏が同盟国との連携を重視する一方で、
トランプ氏は同盟を形成するにあたり、アメリカの負担が大きくなっていることを主張しています。
昨今、世界の至るところでテロ活動が活発化している中で特に、トランプ氏の発言は注目すべき発言です。

第2回公開討論

続いて10月10日に行われた公開討論。この公開討論会で主に話し合われた項目と内容は、以下の通りです。
スライド5
補足:オバマケアってなんだ?
医療費については、日本でも、ついに40兆円を突破したことで大きくニュースに取り上げられていましたね。

社会保障政策の中で最も重要な政策のひとつである医療保険制度ですが、アメリカはどのような制度を採用しているかを解説してみます。
アメリカは現状、オバマケアという医療保険制度を採用しており、これを超簡単に説明すると、アメリカ版国民皆保険です。

オバマ大統領は、この制度を取り入れることで、それまで貧困によって保険に加入することが出来なかった国民に対して、保険の加入を義務つけることにより、全国民に対して平等な医療保障を実現させようとしました。
メリット・デメリットとは?
プレゼンテーション3
つまり、ヒラリー氏は現制度におけるメリット部分である、全国民に対して平等な医療保障の継続と更なる充実を、トランプ氏はデメリット部分である国の負担を減らすため、現制度の解体及び民間保険会社の参入を掲げています。

第3回公開討論

10月20日に行われた最後の公開討論。この公開討論会で主に話し合われた項目と内容は、以下の通りです。
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ポイント
銃規制について、トランプ氏は全米ライフル協会という団体から多額の献金を受けていることもあり、銃の規制については反対の姿勢をとっているようです。

で、ここからが本題

さて、ここまで大統領選挙を振り返ってきたわけですが、ここからが本題です。(前フリが長すぎるのはご勘弁くださいませw)

実はこの選挙戦、両者の政策はもちろん、ある裏テーマが非常に注目されていました。そう、デジタル戦略です。オバマ現大統領が選挙においてWEBサイトやSNSを使用したデジタル戦略を本格的に導入したわけですが、今回の選挙戦においても同様、両候補者があらゆる手を使いネット空間における支配力を高めようとバトルを繰り広げました。
そこで、デジタル戦略におけるヒラリー・トランプ両候補者の勝敗を超主観的に判定してみたいと思います。

Twitter上では、トランプ氏が勝利

まず、Twitterでの両者のバトルについて。
こちらは、トランプ氏が圧勝といえる結果でしょう。

両者の呟き回数を見てみると、11月10(18時現在)以下のようになっています。
ヒラリー氏:9,837回
トランプ氏:33,974回

どうでしょう。トランプ氏の方がヒラリー氏よりも多く呟いていることが一目瞭然ですね。

感情を揺さぶる巧みな呟きをみせたトランプの呟き術


#MakeAmericaGreatAgain #ObamacareFail #HillarycareFail のように明確なキャッチコピーを用いてハッシュタグを作り、テンポ良く呟きを重ねたトランプ氏。彼の支持者に対してはもちろん、ヒラリー氏の支持者らの感情をも揺さぶるような投稿をすることで、結果的に大きな注目を浴びることに成功しました。

一方、ヒラリー氏の投稿は、上品な呟きが多い印象でした。


このように、子供たち、自身の笑顔、一般市民の表情を多用していた印象でした。しかし、トランプ氏の投稿ほどメッセージ力が弱く、どこか物足りなさを感じる投稿が多かったように感じます。

WEBサイトではヒラリー氏が勝利

さて、続いてはWEBサイト編。PageSpeed Insightsというサービスを使用して、両者のWEBサイトの表示速度を測定してみました。
対象サイト:ヒラリー氏の公式サイト
トランプ氏の公式サイト

ヒラリー氏のモバイルサイト速度分析結果
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トランプ氏のモバイルサイト速度分析結果
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ヒラリー氏のPCサイト速度分析結果
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トランプ氏のPCサイト速度分析結果
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モバイルサイト、PCサイト共にヒラリー氏のサイトの方が表示速度が速いという結果になりました。

ショップサイトでもヒラリー氏が勝利

実は両候補者のサイトでは、彼らにちなんだグッズを購入することができるんです。ここでは両候補者のショップサイトを比べてみます。

ヒラリー氏のショップサイト
ヒラリー氏のショップサイトでは、例えば、政策キャッチコピーの入ったTシャツから、
ヒラリー候補ショップサイト

フツーにお洒落なTシャツから、
ヒラリー氏お洒落シャツ

こんなお洒落な小物まで、商品のラインナップが本当に充実していました。
ヒラリー氏ショップ小物

トランプ氏のショップサイト
一方トランプ氏のショップサイトは、扱っている商品が非常に少なく、商品の色味も暗く、モデルの表情もどことなく暗い印象を受けました。
トランプ氏ショップサイト

まとめ

今回の大統領選で結果的に当選したのはトランプ氏でした。しかし、個人的な超独断と偏見による考察によると、デジタル戦略においては、総合的に見てヒラリー氏がトランプ氏を上回るパフォーマンスをみせていたように感じます。今後アメリカがどうのように進化していくのか注目ですね。

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