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COTOPICS コトピックス

vol.62014年6月号

きょうの架け橋

2014年6月号【対談】聖護院八ッ橋総本店 鈴鹿可奈子×当社代表取締役 川口聡太(3/4)

商品の原点は「私も欲しい」「あげたい」

nikiniki 「カレ・ド・カネール」

nikiniki 「カレ・ド・カネール」

川口「プロデュースされているnikinikiは、最近メディアでもよくお見かけします」
鈴鹿「ええ、本当にありがたいです。しかも最近では、製造現場を取材していただくことが多くて。実は聖護院八ッ橋総本店が製造していると八ッ橋の紹介も入れてくださるようになって、根幹の製品がしっかりしているからおいしいんだ、っていう伝え方をしていただけるようになって、嬉しいです」
川口「長い歴史を持つ八ッ橋がこれからも続いていくためにも、必要な新ブランドだったのですね」
鈴鹿「そうですね。私個人としては、根幹の聖護院八ッ橋さえしっかり守れているなら、入口はたくさん持っていたいと思うんです。先日は京都府さんからの依頼で、アニメコラボもしましたし。社長は始め大反対だったんですけど、アニメファンの若い方たちって八ッ橋にあまり馴染みがないでしょう?そんな方々に食べてもらえるきっかけになるかなって。あとは京都に来ていただくきっかけにもなれたら、と。あのコラボ商品を買うために、新幹線に乗って京都に来られた方もいたんですよ」
川口「ほー!」
鈴鹿「すごい力ですよね。だけど、さすがに来たらきっとどこかへ観光に行かれるでしょう。経営にあたって社長から言われているのが地元を大切にしなさい、ということ。うちの商品で、京都に訪れるお客様を増やしなさいという考え方があるんです。だからnikinikiは特に東京に出店したらどうかと言われるんですが、あえてやりません。京都のあの場所に来て、買ってもらうことに意味があるんです」

カネールのメニュー

当時のまま保存されていた「カネール」のメニュー。
洗練された雰囲気が伝わる

川口「そもそも、nikinikiの発想の源泉はどんなところだったのでしょう?」
鈴鹿「今の店舗の場所を使って、何かこれまでと違う店舗形態を、と社長から言われたのがきっかけです。でも、アイデアは昔から持っていたんですよ。20年ほど前、今の私と同じように母が『カネール』というカフェをプロデュースしていたのですが、その時のメニューが当時としては斬新で。生八ッ橋を使ったケーキとか、八ッ橋を砕いてタルト生地に使ったりとか。フレッシュな食材と八ッ橋を合わせた味が忘れられなくて、ぜひあのおいしさを食べてもらいたい、再現したいという気持ちがあったんです。八ッ橋って、京都に住んでいると自分であまり食べない方も多いのですよね。だけど私が友達にあげたりすると、そのあと自分で買って食べてくれたりするんです。きっかけさえあればもっと食べてもらえるんだっていう手応えがあったので、クレープを食べるみたいに気軽にのぞけて、わいわい選んでもらえるような店にしたいなって。それでnikinikiが生まれました」
川口「思い出に残る味を現代に合わせたかたちで生まれ変わらせる、素晴らしいです。季節の生菓子などもご自分で考えられたりするんですか?」

nikiniki 季節の生菓子

nikiniki 季節の生菓子

鈴鹿「そうですね、最初はやはり、みんな何を作っていいかわからない状態だったので、私が絵を描いて作ってもらっていました。最近は打ち合わせの中でぽろっと『あったらいいな』ってつぶやいたものを形にしてくれたり、製造部員が考えてくれるものも多いですよ」
川口「『古都の春』の栞にしても、ご自分の手でされていることがとても多いですね」
鈴鹿「好きなんですよ、自分で考えたものを形にしていくことが。ちなみにnikinikiはブランドカラーや店舗デザインも私のセレクトで、ロゴも私の手描きです(笑)」
川口「そうなんですか!!」
鈴鹿「はい。nikinikiを立ち上げる時、広告宣伝費を一切かけないこと、と社長から言われていたんです。だから外部のデザイナーさんは入っていないんですよ」

川口「いやしかし、お話を聞いているとご自分の感性を生かしておられるところが強みですよね。経済を学んだ鈴鹿さんなら、マーケティングを生かしていくやり方もあったと思いますが」
鈴鹿「私も入社した頃は、マーケティング知識を生かさなくちゃってすごく考えたんです。だけどある時、社長に『そうじゃない』と諭されて。確かに知識って、迷った時の助けになってくれるけれど、ベースにあるのは人と向き合うことなんだって、そんな当たり前のことに気が付いたんです。
だから季節の生菓子などは全て、私が友達にあげたいと思うもの。よくnikinikiの戦略は?って聞かれるんですけど、よくわからないんです(笑)」
川口「ええっ!無意識にやっているだけでは?」
鈴鹿「ほんとにないんです!ただ、今コンセプトにしているのが『ひと月に一回来て、必ず何か変わっている』ということなんです。ご来店いただいた時のおどろきが毎回あるからこそ、ブログに載せてもらえているんだなって、今になって実感しています。自分がかわいいと思うものや、私がお客さんだったら欲しいものが自分の中ではっきりしているから良かったのかな、と思っています」

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