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2013年6月号

きょうの架け橋~今と未来を生きる京文化~

対談:佐々木酒造 佐々木晃 × 当社代表取締役 川口聡太(2/3)

挑戦は楽しむもの

佐々木酒造 佐々木晃 × 当社代表取締役 川口聡太

川口「ノンアルコール飲料(※2)を開発されていますが、それもマーケットへの対応を考えられてのチャレンジですか?」
佐々木「そうですね。うちの杜氏は僕とあまり変わらない年齢なんですが、60、70代がほとんどの杜氏の中ではむちゃくちゃ若いんです。チャレンジ精神もありますんで、新しい挑戦を怖がるのではなく、僕と一緒に楽しいと思ってくれるんです。その中でオフシーズンの仕事を作ろうとして始めました。『寒造り』と言って、日本酒造りは寒い時期の仕事なんですね。春夏のオフシーズンで、私らがずっと培ってきた製造技術を活用して、他とは違う商品づくりをしたくて京都産業技術研究所の研究開発チームと共同研究を始めたんです」
川口「必要から生まれたチャレンジなんですね。研究に使われている技術とは、どんなものなんですか?」
佐々木「四段仕込って言って、甘口のお酒を造る技術をベースとして、最先端のバイオ計測を活用した新しい技術です。京都の市場というのは、もともと甘口のお酒が好まれていたんです。日本酒は土地々々によってお酒の味わいが変わるんですが、素材の味を生かす京料理には、辛味や酸味の強いものではなしに、まろやかなタイプのお酒の方が好まれた。そんな風土から、京都の造り酒屋は甘口を造るのが得意だったというのもありますね。実は、今の普通の製法で、完全発酵させて日本酒を造ると全部辛口になるんです」
川口「へぇ、そうなんですか!」
佐々木「米ってでんぷんで出来ているでしょ。でんぷんを麹がブドウ糖、グルコースに変える。それから酵母で発酵させてエタノールになるまでに、様々な物質に変化しながら発酵するんです。これを途中で止めると、時間が経って変な味やにおいが出ることがあるので、今は完全発酵が基本なんです。ブドウ糖を全てアルコールに変えるわけですから、当然辛口になりますよね。甘口は辛口の中へ別に造っておいた米の糖液を、発酵が終わったあとの醪に一気にどばーって流し込んで、アルコール発酵させずにジャーって搾って造るんです」

佐々木酒造 佐々木晃 × 当社代表取締役 川口聡太

川口「かなりの力技ですね~!(笑)」
佐々木「いや、でもこの四段仕込みって本当に合理的なやり方なんです。今市場は辛口の酒が多くて、甘口のお酒が見つからないって声も聞くんですが、そういう方には『ガムシロップ入れてください』って言うんです」
川口「いやぁ、それは・・・!勇気がいりますね」
佐々木「気持ち悪いって言われるんですけど(笑)米から造った糖液か、サトウキビから造った糖液かの違いで同じ事なんですよね。その糖液を造る技術を活用して造ったのがノンアルコール飲料です。ただ、ノンアルコール飲料っていうのは研究の一つの成果にすぎなくて、お米を麹で溶かして造る食品原料が研究の核なんです。これを使って飲料であったり、和菓子や洋菓子に使うシロップであったり、色んな使い方をして米の消費量全体を上げていこうと。そこから雇用促進につなげ、地域活性化のモデルケースづくりをしているのが、今関わっているプロジェクトの全体像なんです。うち一軒が前へ出ていこうとしているのではなく、地域活性化モデルをそれぞれの地域、そして世界に広げていこうという取り組みです」
川口「大規模なプロジェクトですね!そこまで果敢にチャレンジされるのはどうしてですか?」
佐々木「単純に私が楽しいからです(笑)」

(※2)ノンアルコール飲料・・・20-21年近畿経済産業局地域イノベーション事業・産学公連携による研究開発事業で開発された。2011年より「白い銀明水」として、佐々木酒造株式会社より発売されている。

佐々木酒造株式会社

佐々木酒造株式会社 http://jurakudai.com/
※こちらのWebサイトは、当社にてデザインリニューアルのお手伝いをさせて頂きました。
リニューアルの詳しい情報はこちらをご覧下さい。

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