COTOPICS コトピックス
vol.22013年6月号
対談:佐々木酒造 佐々木晃 × 当社代表取締役 川口聡太(1/3)
- 佐々木晃
- 明治26年創業、佐々木酒造の四代目、代表取締役。産業機械販売会社勤務後、兄に代わり家業を継ぐ。同社は京都・洛中に残る、唯一の造り酒屋。近畿経済産業局地域イノベーション開発事業・産学公連携の研究開発事業への参画や、各種日本酒イベントの開催を通じて日本酒、及び京都の発展を牽引している。
このコーナーでは、京都の伝統文化を担う方々へのインタビュー特集をお届けします。文化と人々を繋ぐため、後世へ残していくために何を考え、感じ、活動されているのかをお伝えしていきます。
今回は京都で造り酒屋を営まれる佐々木晃氏と、当社代表・川口聡太の対談をお送りいたします。今や洛中唯一の造り酒屋となった佐々木酒造。コトピックスWEBでは、本誌ではお伝えしきれなかった、二人のものづくりや新たな挑戦への熱い思いを拡大版でお届けします。
佐々木氏が目を輝かせながら語ってくださった、日本酒造りの魅力、そして大好きな京都をもっと発信したいという心を感じて頂ければ幸いです。
四月下旬、麹の甘い香りがふわりとただよう佐々木酒造の一室で、佐々木氏と川口の対談が行われた。
チャレンジを発信するSNS
川口「twitterなどのSNSを活用されたり、ご自身でホームページも作られたりと、インターネットにずいぶん馴染んでおられるんですね」
佐々木氏(以下、佐々木)「中学生くらいのころ、自分でプログラムを組んでゲームを作るのが流行ったんですよ。改造したりするうち、どんどんプログラム言語が読めるようになって、それに比べたらHTML(※1)は簡単なので(笑)twitterなどは、とにかく色んなことにチャレンジしているので、多くの人に知ってもらいたいと思ってやっています。もっと言うとインターネットで満足せず、ぜひ京都に来ていただいて、京都の料理と一緒にうちのお酒を楽しんでいただきたいですね」
顧客と歩調を合わせたものづくり
川口「家業を継がれるきっかけは何かあったんですか?」
佐々木「はい、もともと私はこの仕事をするつもりは全然なくて、産業機械メーカーの営業をしていたんです。ただ酒屋を継ぐと言っていた兄が役者の道に進むと決めたとき、継いでくれないかと兄から言われて…当時はイヤイヤでした(笑)でも、役者やりたいって言うんだったらやったらええわと。飽きて帰ってくるまで留守番のつもりでやっておこうと思ってました」
川口「お勤めをされていたときは、ずっとサラリーマンをやっていこうと思われていたんですか?」
佐々木「そうですね…でも正直、営業の仕事は本当に売るだけで、お客様の思いを持ち帰って会社にぶつけてもなかなか相手にしてもらえなくて、面白くないなっていう思いはずっと持っていました。それが、こっちに戻ってきて『こんな商品が今売れているらしいぞ』と言うと、うちの杜氏はすぐに作ってくれるんですね。自分でラベル作ったらすぐに製品になる。自分の思いがそのまま伝わって商品になることがむちゃくちゃ楽しかったんです」
川口「そうですよね、思い描いたことが実現できると素直に嬉しいですよね。私も自分でプログラムを組んでいたころは、シンプルで美しい動作が組み上げられたときがとても楽しかったです。」
佐々木「『老舗だから守っているものがあるんでしょう』とよく言われるんですが、いやいやそんなことないんです。世の中の動向に対して柔軟にやっていかないと長年続いていかないんで、うちの商品はこれや!って偉そうにするのではなしに、敏感にアンテナを張ってお客様の声に対応していいきます」
(※1)HTML・・・タイトルや段落の指定、図の表示位置、他のコンテンツへのリンクなど、Webサイトの表示の仕方を記述する言語。どんなWebサイトにも使用されている。
佐々木酒造株式会社 http://jurakudai.com/
※こちらのWebサイトは、当社にてデザインリニューアルのお手伝いをさせて頂きました。
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